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【ずいひつ】ミクステンド・北野智大代表取締役が語る「ビジネスの入り口の日程調整を『調整さん』で解決していく」

財界オンライン / 2023年5月6日 18時0分

コロナ禍から3年が経ち、リアルでの面会も徐々に増えてきたことでしょう。皆さんは面会や会議の「日程調整」に手を煩わせていませんか。実は日程調整に必要な工程は10以上あり、ある大手企業の営業や人事部門では日程調整をするためだけの従業員がいたりします。

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 しかも、コロナ禍を経てリアルでの面会のための時間調整を行うことはもちろん、オンラインでの面会が増えたことで、オンライン会議の設定やURLの送付といった新たな工程が増えました。しかし、この日程調整ほど重要なものはありません。

 なぜなら日程調整が自分たちのビジネスにつながるかどうかの重要な機会の入り口になるからです。当社は会議や商談、歓送迎会など、あらゆるイベントのスケジュール調整をスムーズに行うことができる「調整さん」を提供しています。個人の会合などで使ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。

 もともと「調整さん」は2006年からリクルートが展開してきました。当時、スマートフォンは存在せず、ワンセグやガラケーが主流だった時代。そのため、学生たちも飲み会の日程を調整しようとすると、個々人にメールを送り、それらを取りまとめなければならず、手間と時間がかかっていました。

 そこで同社はWeb上で1人ひとりが出欠の意思表示をし、その状況も皆が一目で分かる「調整さん」を開発しました。飲み会をはじめ、同窓会や結婚式の二次会、歓迎会、送別会などのあらゆる会合の主催時に必要な「全員の日程調整・出欠管理作業」をログインなしで簡単に行うことができるWebサービスとして好評を博しました。

 もともとリクルートはイノベーティブな新規事業を積極的に創出する文化があり、こういったユニークなサービスが生まれたのです。実は、大学4年生のときに私は同社のインターンとして「調整さん」の開発チームに加わりました。

 私は在学中にWebサイトやスマホ向けアプリを1人で製作していたのですが、それに限界を感じ、やがてチームで何かを開発することの楽しさを実感。それをもっと学びたいと考え、新規事業部のインターンを募集していたリクルートにエンジニアとして採用されたのです。

 17年頃に同社の新規事業の見直しが決まり、私が「調整さん」の事業譲渡を受けました。4年間、「調整さん」の開発に携わり、自分が一番理解しているという自負があったからです。その後、「調整さん」は月間400万人を超える利用者数を誇るまでになりました。

 ただ、もともと「調整さん」は個人向けに開発されていたため、もっとビジネス向けに進化させる必要がありました。そこで当社ではオンライン商談などの日程調整で使いやすい「TimeRex」なども展開。コロナ禍が追い風となって、日程調整に必要な工程のうちの9割以上を削減することができるこちらの登録者数も累計14万人を超えるほどになりました。

「はじまりをもっと近くに」─。これが当社のミッションです。何かを始めるためには常に時間調整というハードルがあります。これを少しでも下げることで将来のチャンスを産み、生産性も向上させるわけです。

 こういった発想はリクルート時代の「圧倒的当事者意識」から学んだ気がします。日本企業の生産性の低さは大きな社会課題になっています。時間調整─。生活やビジネスにおいては、ほんの小さな取り組みではありますが、そこを解決することが何よりも重要なのです。

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