米中でEVが一気に加速 出遅れる【トヨタ】の巻き返し策
財界オンライン / 2023年5月16日 15時0分
サプライヤーの変革が不可欠
「もはや電動化におけるEV(電気自動車)が乗用車の主流になる流れは変わらない」─。外資系自動車メーカーの幹部は強調する。自動車業界の2大市場である中国と米国で急速にEVが浸透しつつあるからだ。
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まずは中国。同国でのEVの販売台数は21年比約8割増の約453万台となった。420万台だったガソリン車を含む日本の販売台数を上回るほどだ。前回の上海モーターショーで非難を受けた米EV大手のテスラも販売台数を伸ばしている。
米国でも前年比約65%増の81万台超。バイデン政権によるEV普及政策などが後押しした。同国のインフラ抑制法に代表されるように、両国では共に環境規制を強め、EVを投入しなければ基準をクリアできない政策を打ち出している。
「ハイブリッド車(HV)では圧倒的な存在感を示していたトヨタ自動車やホンダにかなわないと考え、HVを締め出し、従来の産業構造を変えるEVを前面に打ち出す政策を国と企業が〝一体〟となって攻めてきている」(外資系アナリスト)
量産型EVが少ないトヨタ社長の佐藤恒治氏も、これまでのEV市場に対する見通しが甘かったことを反省点に挙げ、品揃えの強化などを通じて需要の拡大にキャッチアップしていく。26年までにEVを新たに10モデル投入し、世界販売を年間150万台にする。25年にも米国でEVを生産。豊田通商と車載用電池工場を建設・稼働させる。
ただ、これまでガソリン車に対応してきたサプライヤーもEVの部品を生産できるように変わらねばならない。トヨタはサプライヤー各社と「相談に乗っている」(関係者)と言うが、部品点数が減るEVの生産に対して厳しい判断を迫らざるを得ない局面も起こり得る。EVの移行期にあって佐藤新体制が正念場を迎えている。
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