アリババ頼りの財務改善は限界? 約1兆円赤字のソフトバンクG
財界オンライン / 2023年5月26日 7時0分
「当初より『守りの1年』と申し上げてきて、この戦略はしっかりと実行できた」
ソフトバンクグループ(SBG)取締役専務執行役員の後藤芳光氏は、5月11日の決算会見でこう述べた。
同社の2023年3月期連結決算(国際会計基準)は、最終損益が9701億円の赤字(前期は1兆7080億円の赤字)だった。ウクライナ情勢や米中対立などを背景にした世界的なインフレや金利上昇の影響で、新興企業に投資する「ビジョン・ファンド(SVF)」事業が苦戦したことが主因だ。
ただ、中国IT大手アリババ集団の株式の大部分を手放すことで赤字幅は縮小した。SVFの投資額も22年3月期は約440億ドル(約5兆9000億円)だったが、23年3月期は30億ドル程度。同社は完全に〝守り〟の状態に入ったと言える。
今後の焦点の一つはSBGがいつ〝攻め〟に転じられるか。後藤氏は「チャットGPT」をはじめとする生成AI(人工知能)の開発競争が激化していることなどを念頭に、「技術の進化への投資機会を逃さないようにしたい」と発言。一方で「どんどん攻めるわけではなく、良いものを見極めていく」とも語り、舵取りの難しさを滲ませた。
SBGの反転攻勢のカギはもう一つある。傘下の英半導体設計大手アームの上場だ。同社は4月末、米国での新規上場を申請した。実現すればSBGの資金調達や財務基盤強化につながり得る。
とはいえ、アリババ株はすでに大半を放出しており、株式の放出によって財務改善する手は、もう使えない。23年3月期のSBGにおけるアーム事業の売上高は前期比27.2%増の3817億円と堅調に推移したものの、半導体市況の先行きは読みにくく、アームがアリババの穴を埋める存在になるかは未知数だ。
SBG会長兼社長の孫正義氏は22年11月に開いた決算会見で「アームの成長に没頭する」と述べ、23年は会見に登壇していない。孫氏の正念場が続く。
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