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ニトリHDが24年ぶり減益 円安で〝必勝パターン〟通じず

財界オンライン / 2023年5月25日 11時30分

環境激変期をいかに生き抜くか─。

 家具・インテリアチェーン大手ニトリホールディングス(HD)が発表した2023年3月期の連結業績は、売上高9480億円(前年同期比16.8%増)、経常利益1440億円(同1.6%増)と増収増益だったものの、純利益は951億円(同1.6%減)と減益になった。

 同社は決算期を変更しており、23年3月期は22年2月から23年3月末までの13カ月余の変則決算だったが、減益は24年ぶりとなる。

 円安の進行や原油高に起因する輸入コストの上昇、人手不足による人件費の上昇などが響いた。既存店の売上は前年比1.2%増加したものの、客数が5.6%減少した。

 商品では横向き寝がラクなまくら『ナチュラルフィット』、熱や傷に強いセラミック素材を天板に使用したダイニングテーブル『セーラル』などの売上が好調だったが、コスト上昇分をカバーしきれなかった。

 1967年に似鳥家具店を創業。そこから約55年が経ち、国内外に902店舗を展開する家具・インテリアチェーンへと成長したニトリHD。独自のビジネスモデル「製造物流IT小売業」を構築し、人件費の安い海外で生産し、日本に輸入して販売するというのが、これまでの必勝パターンだった。

 しかし、近年は円安傾向が続き、コロナ禍の巣ごもり消費も一巡するなど、従来の成功パターンが通用しなくなっている。

 同社は2022年2月期まで35期連続の増収増益を達成。創業者で会長の似鳥昭雄氏は、23年3月期の業績についても、売上高と経常利益では「増収増益と認識している」と言うが、13カ月の変則決算で最終減益になったことの意味は重い。

 似鳥氏は「東南アジアは大きなビジネス。日本で利益が出なくても海外で出るようにする」と話しており、今後は中国、台湾、東南アジアを中心に出店し、経済成長が続く海外の成長を取り込みたい考え。

 逆境の時代に成長してきた同社にあって、今こそ似鳥氏の手腕が問われている。

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