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【金融庁】地域金融機関のサイバーセキュリティ対策が急務

財界オンライン / 2023年6月7日 11時30分

金融のデジタル化が急速に進む中、地域金融機関のサイバーセキュリティ対策の整備が急務となっている。

 金融庁・日銀が実施した全国の地銀・信用金庫・信用組合に対する自己評価調査「2022年度サイバーセキュリティセルフアセスメント(CSSA)」の集計結果によると、7割超の金融機関が対策に必要な人材を十分に確保できていないことが明らかになった。

 多くの金融機関でサイバーセキュリティのための計画が策定されているものの、頭取ら経営層の判断のもとでリスク対応方針を決めているケースは半数以下にとどまっていることも分かった。サイバー攻撃から顧客を保護したり、決済システムを守ったりする体制が不十分であることが浮き彫りになった形だ。

 金融庁は「サイバー犯罪は日々巧妙化しており、銀行でも大規模な被害がいつ起きてもおかしくない状況」(監督局筋)と警戒感を募らせている。銀行の場合、不正送金などで個人が被害を被るだけでなく、決済システムそのものが麻痺しかねないだけに影響は深刻。

 金融庁は監視を強化し、取り組みを急ぐように促す方針だ。ただ、サイバー防衛関連の人材は他業界でも引き合いが強く、供給不足となっているのが実情で、個別金融機関ごとに人員を揃えるのは難しい。

 このため、金融庁は全国地方銀行協会(地銀協)など業界団体とも連携し、複数の地銀などが経営資源を持ち寄って対策組織を作り共同対応することも視野に入れる。市場では「新たな再編のきっかけになるかもしれない」(ファンド筋)と指摘する声も出ている。

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