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電力7社が6月から値上げ 原発稼働で地域差も鮮明に

財界オンライン / 2023年6月23日 18時0分

「徹底した経営効率化に取り組み、お客様のご負担低減に向けた事業運営を推進していく」――。こう語るのは東京電力ホールディングス傘下の小売り事業会社・東電エナジーパートナー社長の長﨑桃子氏。

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 東京電力など、電力大手7社が6月1日から家庭向け規制料金を値上げした。値上げ幅は平均14~42%程度になる。ロシアのウクライナ侵攻を受け、原価の大部分を占める燃料費が高騰したため。一方、原発が安定稼働している関西電力などは値上げを実施せず、地域間での電気料金の差が鮮明となっている。

 各社の平均値上げ率は、北海道が21%(当初申請時は32%)、東北が24%(同32%)、東京が14%(同28%)、北陸が42%(同48%)、中国が29%(同34%)、四国が25%(同29%)、沖縄が38%(同42%)。

 岸田文雄首相が地方統一選を控え、値上げ審査を所管する経済産業省に「厳格な審査」を指示した他、電力各社で発覚した不祥事を巡って消費者庁との協議が難航した結果、当初の申請時から値上げ幅は圧縮された。

 とはいえ、電力使用量が月間400キロワット時の家庭の場合、7社の6月使用分の電気料金は1万1600~1万4700円となり、5月使用分と比べ1300~4200円程度の値上げとなる。

 一方、原発が安定稼働する関西電力と九州電力は値上げを実施しない。6月分の電気料金は九電で月8600円程度、関電で月8700円程度と、7社と比べて低価格に抑制されている。

 中部電力は原発の再稼働は進まないものの、燃料価格が上昇した分を一定程度利用者に転嫁できる「燃料費調整制度」の上限が高めに設定されていたため、値上げを実施しない。6月分の料金は1万800円程度で九電、関電に次ぐ低価格だ。

 もっとも、政府は電気料金を1キロワット時当たり7円値引きする激変緩和措置を全国一律で実施しているが、9月使用分までで終了する予定。延長されなければ、10月使用分から再び値上がりするため、値上げされた地域での消費者の負担感は一層増すことになる。

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