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投資ファンドの今日的役割とは何か? マーキュリアホールディングス代表取締役・豊島俊弘

財界オンライン / 2023年6月26日 18時0分

豊島俊弘・マーキュリアホールディングス代表取締役

現場に即した投資を

 ─ 2005年に豊島さんがマーキュリアインベストメントを設立してから18年が経ちました。この間の手応えをどのように感じていますか。

 豊島 途中リーマンショックもありましたが、満足のいく運用成果をあげてきたと自負しています。

 当社は『ファンドの力で、日本の今を変える』というミッションに掲げていまして、会社設立以来、国内外の多様なパートナーと連携しながら、投資先の事業に寄り添うファンド運用を実行してきました。

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 ─ 世の中には様々な投資ファンドがあります。その中で、マーキュリアならではの独自性は何ですか。

 豊島 われわれは主に低流動性オルタナティブ(代替)資産への投資を行うファンドを運営しています。

 投資信託などの通常のファンドが上場株や債券といった流動性のある資産のトレーディングをするのに対して、非上場企業や不動産、再エネプラント、航空機など流動性は低いですが、それらを契約によって売買し、確実に管理・運営することで相応のリターンの創出が可能になります。

 こういうものにはクリック一つでトレードできる取引市場がありませんので、長期に投資対象を管理する人が必要なんです。この現場管理が一つ目の特徴です。二つ目の特徴は運用者の投資スタイルですね。わたしの中では2種類あると思っているんですね。



 ─ 2種類?

 豊島 はい。一つはキャッシュフロー重視。資産や事業の生み出すキャッシュフロー(現金収支)の価値を中心に考えて、投資先の売上を増やし、キャッシュフローが増えればファンドの価値も上がると考える人たち。

 もう一つがトレード重視。投資対象が暗号資産であろうがトレーディングカードであろうが、安く手に入れて高く買ってくれる人がいればいいじゃないかという人たち。つまり、トレードによる差益と、キャッシュフロー管理によるゲインのどちらを重視するかという二つの投資スタイルがある。

 ファンドマネージャーにとって両方大切ですが、われわれのような低流動性の場合、トレードのタイミングを選べないので、キャッシュフローを無視するということはあり得ません。現場を見ることを約束できて初めて、結果として、トレードゲインもできるだろうと思っているわけです。

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 ─ 現場に即した投資を行うということですね。

 豊島 はい。われわれは投資家から預かったお金を使うことに対する責任があるわけですから、しっかりと人手をかけてその投資対象を見て管理するということです。弊社ではそれを「投資品質」と呼んでいます。

 不動産であろうが、太陽光発電設備であろうが、事業会社であろうが、ちゃんとプロを入れて、毎月の予算と実績をきちんと管理してということですね。

 ─ ディスクロージャー(情報開示)もしっかりして。

 豊島 はい。ディスクロージャーやガバナンスが求められるのは投資先だけではありません。ファンドマネージャーも同じです。それができなければ投資家の信頼を得ることはできません。

 岸田政権の「資産所得倍増プラン」において、オルタナティブ投資の果すべき役割は大きいと思います。

 マーキュリアインベストメントは日本プライベート・エクイティ協会に加盟しているのですが、正会員59社のうち日本国内でオルタナティブ運用を主業とする上場企業グループに属している会社はマーキュリアインベストメントのみです。だからこそ、投資家への信用を第一に考えていますし、投資家に責任を持って説明できないものには決して手を出さない。そして、投資先の企業が社会に新たな価値を生み出していくことが当社の役割だと考えています。

続きは本誌で

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