東京計器社長・安藤毅氏「宇宙・水素を成長ドライバーに位置づけ、コア技術を磨いて新事業創出を!」
財界オンライン / 2023年7月18日 18時0分
地球温暖化対策に貢献する新たな製品開発を進めていく
当社は1896年(明治29年)、国内初の計器メーカーとして誕生しました。当時輸入品に頼っていた船舶機器の国産化を目指して、圧力計や回転計、通信器、動力計、羅針儀など計器製造の研究を始め、次々に日本初の製品を開発してきました。
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普段はあまり目にする機会も少ないと思いますが、当社の製品は国内外のニッチ市場でトップシェアを獲得しています。
例えば、「オートパイロット」や「ジャイロコンパス」は世界の商船の6割以上・国内内航船の8割以上、「油圧機器」は国内プラスチック射出成形機用で約4割、世界で初めて実用化に成功した「超音波流量計」は国内上下水道・農業用水向けで6割以上、「超音波レール探傷車」はJR各社・民間鉄道会社の7割以上で利用されています。
トップシェアを維持する秘訣は、コア技術を磨き続けることしかありません。そして、これからもコア技術から派生した様々なアプリケーションを開発し、新しい分野を開拓していこうと考えています。
今後、期待できる事業の一つが船舶港湾機器です。日本造船工業会によると、地球温暖化対策で温室効果ガス削減対応船への換装需要が発生し、世界の新造船需要は2030年に現在のほぼ倍となる1億総トンまで増加。2050年まで大建造ブームが来ると予想されています。
当社も地球温暖化対策に貢献する新たな製品開発を進めると共に、ジャイロコンパスの生産体制の強化や研究開発・人材投資を行いながら、無人運航船や温室効果ガス削減対応船のプロジェクトに積極的に参加していく考えです。
もう一つは、防衛・通信機器。政府の方針により、2023年度から防衛予算が増額されました。当社は陸海空自衛隊が運用する航空機、艦船、車両の搭載品や地上のレーダー設備向けなどに製品を納入しており、当社の受注も増加しています。
那須工場に「宇宙棟」が竣工
そして、今後の成長ドライバーと位置付けているのが、宇宙と水素です。当社は人工衛星の開発・運用を行うSynspective社と協業しており、マイクロ波増幅器を納入しています。人工衛星の寿命は5~6年ということで、今後は継続的な更新需要が見込まれることから、量産組み立てのための「宇宙棟」を那須工場に建設しました。
6月14日に竣工し、これから期待ができますし、水素は水素ステーション向けの水素圧縮装置を開発しており、こちらも次世代エネルギーの創出に当社の技術を役立てていきたいと考えているところです。
足元ではコロナ禍やウクライナ侵攻による原材料やエネルギー価格の高騰など、様々なリスク要因はありますが、わたしが社長に就任してから5年間で、かなり経営の質を高めることができました。
今期までは我慢が続くかもしれませんが、防衛・通信機器を中心に受注残高は過去10年間で最高水準まで増加していますので、来期以降の飛躍を果たすべく、社員一丸となって頑張っていきたいと考えています。
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