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フォーバル GDXリサーチ研究所・平良学所長は、いかに「中小企業のDX・GX」を実現するか?

財界オンライン / 2023年7月27日 11時30分

平良学・フォーバル GDXリサーチ研究所所長

この「フォーバル GDXリサーチ研究所」は2022年10月に設立しました。DX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)は日本の全産業的な課題ですが、やはり我々は中小企業にフォーカスしてきたフォーバルから立ち上がりましたから、特に中小・小規模企業のDX・GXを研究し、促進に貢献していくことをテーマにしています。

 この3年余りのコロナ禍で、特にDX化の進展は加速しました。大企業はもちろんのこと、それまで遅れていた行政も対応にカジを切っています。その影響は確実に中小企業にも及んでいますが、対応にはまだ濃淡があるのが現状です。

 行政もDX化の進展に向け、様々施策を打っていますが、残念ながら、その多くは中小企業の経営者に届いていないのです。それに対して、我々が情報を整理・整頓した上で、中小企業に対して「この施策が使えますよ」というアドバイスをしたり、中小企業からの声を吸い上げて「ブルーレポート」(中小企業経営者実態調査)を発行したりすることで、行政が打った施策の浸透に向けたお手伝いをしています。

 このように行政からも、中小企業からもダイレクトなお声をいただけるのであれば、より中立な機関として情報発信をしていくことで、皆様のお役に立てるのではないか、ということで研究所が立ち上がりました。

 私は元々、中小企業に対するDX・GXに関するコンサルティングを手掛けていたこともあり、研究所の所長に指名されたという経緯があります。

 実際に中小企業の方々と接していると、経営者の皆さんは目の前にある自社の経営に一生懸命で、自社が業界内でどの位置にいるのか、成長をしている他社がどんなことに取り組んでいるのかといったベンチマークに関する情報収集ができていないケースが多いと感じます。そこにレポートなど情報を提供すると、目指すものと現状との差が認識でき、取り組みが明確化したという事例もありました。研究所となったことで、よりこうしたことに取り組みやすくなったのです。

 もう一つのGXも、大企業の取り組みは加速していますが、どうしても中小企業では「自分達には関係ない」という声が多いのです。

 しかし現実は中小企業にも大いに関係するようになっていますし、むしろ早く取り組んだ企業はDXと同様、果実を得ることもできると思います。

 政府は今、国が掲げる日本の未来を拓くための4つの原動力として「グリーン」「デジタル」「活力ある地方創り」「少子化対策」を掲げていますが、これらは全て、我々の研究所に関連するテーマとなります。

 フォーバルは元々、中小企業に通信機器・インフラを提供しながら、それをどう経営に生かすかという視点でサポートを続けて来ました。その間、アナログ回線がデジタル回線となり、ADSL、光回線という形で変遷してきました。

 さらに、インターネットが普及し、それがPC、スマートフォンとつながるようになったわけですが、その各段階で中小企業の皆さんが変化にご苦労されてきたのを、我々は目の前で見てきたのです。

 その意味で、DX・GXを加速させるためにも、我々はますます中小企業の皆さんと「伴走」していくことが重要になると考えています。そして、各地域でDX・GX支援を実践できる仲間を増やしていきます。

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