JSR買収の狙いは何ですか? 答える人 JICキャピタル社長CEO・池内省五
財界オンライン / 2023年7月27日 15時0分
日本の半導体素材産業は国際競争力のある産業の一つ。それでも、このまま5~10年経ち、海外の超大手と伍せるかと言ったら、結構微妙なポジションになっていく可能性が高いと考えており、JSRとわれわれがほぼ同じベクトルを向いていることから、市場の中で国際競争力をどうやって高めていくかを議論していく中で、今回のディールが決まっていった。
われわれは官民ファンドとして、国際競争力の向上に資する産業再編をしていくことが非常に重要な役割なので、あらゆる産業に投資するというよりは、例えば、日本全体を見渡した時に非常に重要な産業がいくつかあると。
その産業の中でも、国際競争力を高めた結果、日本の国力が高まるような分野にフォーカスするというのが特徴。儲かるからやるのではなく、国として必要だとか、産業政策的に重要だというところに投資していく。
基本的に、2~3年の短期でエグジットしていくような考え方は想定していない。7年くらいのスパンで考え、その間に必要な投資を行うという時間軸で考えていくところが、一般的なプライベートエクイティ(PE)ファンドとの違いだと思う。
そうは言いながらも、できるところは短い時間軸の中で早く業界再編を実現していきたい。
日本の半導体復活はまだ間に合うという意見もあれば、もう遅いんじゃないかという意見もある。答えは誰にも分からないが、昨今の国際情勢で考えたら、少なくとも、自分たちの国で半導体の需要に対する供給体制ができていることは絶対に必要。あとは結果で証明するしかない。
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