【コロナ禍での苦闘と再生】庄子潔・ダイブ社長CEOの転機とは?
財界オンライン / 2023年8月22日 18時0分
当社は、全国のリゾート地にあるホテルや旅館、スキー場などで住み込みで働く「リゾートバイト」に特化した人材派遣事業などを手掛けています。
2022年7月以降、人々が観光に一斉に動き出し、コロナ禍前くらいの水準で引き合いをいただくようになっています。人手不足も重なって、23年に入ってからも需要は旺盛です。
今後、2030年に向けて政府は日本人による国内旅行消費額22兆円、訪日外国人旅行者消費額15兆円を目指しています。日本には世界に誇れる観光資源がありますから、我々も貢献していきたいと思います。
私の転機はいくつかありますが、近年大きかったのは、やはりコロナ禍です。20年4月以降、仕事が「蒸発」し、月の売り上げが一気に8割減になるなど急激に事業環境が悪化しました。当社はリーマンショック、東日本大震災の中も切り抜けてきましたが、「今回は今までと違う」と直感しました。
まず会社を存続させることを第一義としました。そのために策を小出しに打つのではなく、事業部の閉鎖、オフィスの縮小などできることは一気にやると決めたのです。結果、20年6月までの3カ月で全ての手を打ち終えました。
手を打っている最中は振り返る時間もなくやるだけでしたが、一番苦しかったのは、その後です。この間の全ての感情が一気に押し寄せてきて正直、全てを投げ出してしまおうかというくらいの気持ちでした。
この時、経営者仲間が私を鹿児島の「知覧特攻平和会館」に連れていってくれました。特攻隊の皆さんの遺書を読んで泣き、我々自身も周囲の人たちに向けた遺書を書いて号泣し合って、そこで心の垢が落ち、前向きに仕事に取り組み始めたのです。
この間、会社を縮小するだけでなく仕組みから全て見直し、DX化も大きく進展しました。見た目は同じでも中身が全く違う会社になったのです。一度退職して、生まれ変わった会社のやり方に賛同してくれる人たちは戻ってきてくれています。
今後に向けてはリゾートバイト自体の認知度向上、アクティブシニアなど新たな働き手への訴求、人手不足の施設への外国人の「特定技能人材」の派遣、さらには各施設の業務の「DX化」支援などに注力します。
今後改めて成長を続け、先々は、まだ光が当たっていないポテンシャルを秘めている地方・地域の潜在力を引き出して発信する「地方創生」に取り組むことを目指しています。
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