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【財務省】22年度税収が過去最高に 24年の「防衛増税」は見送り

財界オンライン / 2023年8月2日 7時0分

防衛費増額に伴う増税時期を巡り、自民党税制調査会は7月13日に非公式幹部会合を開催。記者団の取材に応じた宮沢洋一会長は、2024年の法人税の増税は「無理」だと述べた。

 法人税と共に財源として想定される所得とたばこの2税に関しても「細かい話はしていない」と、24年の防衛増税は見送る考え。政府は25年以降の増税を検討するが、与党内にも増税反対を主張する声は根強い。内閣支持率も下落基調が続き、「岸田文雄首相は任期中の増税はできないのではないか」(財務省幹部)との声も出ている。

 鈴木俊一財務相は14日の会見で税調の判断について「骨太方針を踏まえつつ、引き続き税調と緊密に連携し、判断していく」と述べるにとどめた。

 防衛増税を巡っては、自民保守派などから22年度税収が71兆円と過去最高を更新したことを踏まえ「増税は回避すべき」との主張が出ている。

 財務省の「税収は変動するから財源にならない」(主計局)との説明に対し、与党議員は「首相は財務省のいいなりか」(閣僚経験者)と牽制。首相が財務省に近いといわれるのを嫌っているのを知っているためだ。

 一方、財政規律を重視する自民議員からは「首相は決断できないイメージがつく」と懸念が出ている。

 衆院解散・総選挙前の増税がご法度なのは政界の〝常識〟だが、選挙後に増税すればだまし討ちとの反発を招くのは必至だ。防衛力強化も「次元の異なる」少子化対策も首相自ら実績としてアピールするが、肝心の財源確保がままならなければ政策は絵空事になる。

 財務省幹部は「日経平均株価が3万円を突破し、賃上げが進む今、増税を決められないならいつ決められるんだ」と憤るが、その一因は「今の財務省は政治を動かす力がない」(財務省OB)ということなのか。

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