【経済産業省】電力会社のカルテル問題で、関電など5社に業務改善命令
財界オンライン / 2023年8月3日 11時30分
経済産業省は、電力大手4グループが法人向け販売でカルテルを結んでいた問題を巡り、関西電力、九州電力、中国電力など5社に対し、業務改善命令を出した。営業活動に関する情報交換の禁止を命令。再発防止策を8月10日までに提出するよう求めた。
5社はこの他、中部電力ミライズ、九電みらいエナジー。西村康稔経済産業相は7月18日の閣議後会見で、「電力システム改革の趣旨に反するものだ」と指摘。その上で、「今後、適正な競争を促すための環境整備について、さらに検討を深めていきたい」と述べた。
命令では、関電とその他4社の間で情報交換が長期かつ、頻繁に行われ、一部では経営層も関与したと指摘。経産省としてカルテルを認定したわけではないものの、「適正な競争に対する信頼を著しく害する」と判断した。
カルテルを巡っては、公正取引委員会が3月、独禁法違反で中部電や中国電、九州電などに計約1010億円の課徴金納付を命令した。違反を自主申告した関電は処分を免れた。中部電や中国電は取り消し訴訟を提起すると表明し、九州電も検討している。
不祥事の起こる背景には、電力業界の「なれ合い」を指摘する向きもある。電力の安定供給に向けた連携が求められ、事業運営に対する規制も共通する中、他社との情報交換には「安心感を得られる」(電力関係者)との声も聞かれる。
これに対し、電力会社でつくる電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は7月14日の定例会見で、電気料金メニューが多様化したことなどから「横並び体質ではない」と弁明。
しかし、不信は膨張しており、関電、九電、中国電、中部電の株主は代表訴訟を起こす方向で準備を進めている。
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