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【経済産業省】LPガスの商慣行是正へ 関係ない設備費の上乗せ禁止

財界オンライン / 2023年8月24日 15時0分

LPガス(プロパンガス)業界の不透明な商慣行の是正に向けて、経済産業省が新たな料金制度を打ち出した。料金内訳の明示を義務化し、ガス供給とは関係がないエアコンなどの設備費の上乗せを禁止する内容で、違反した場合の罰則も設ける。来年春に省令を改正し、2027年度の施行を目指す。

 LPガス会社と不動産会社や建築会社との間では、「無償貸与」や「貸し付け配管(無償配管)」と呼ばれる商慣行が続いている。

 無償貸与は、LPガス会社が賃貸集合住宅で、コンロや給湯器だけでなくエアコンや洗浄便座といった設備まで設置し、それらの費用を毎月のガス料金に転嫁して入居者から徴収する仕組み。大家には負担なしという有利な条件を提示し、入居者の契約を獲得するために広まったが、ガス料金が割高になる一因として問題視されてきた。

 貸し付け配管(無償配管)は、戸建て住宅のガス配管工事をLPガス会社が担うもので、家主は工事費を出さずにガスを使い始められる。しかし、入居後にガス契約を切り替えようとすると、突然高額の配管工事費を請求されるなどトラブルに発展するケースが起きている。

 こうした費用負担の在り方を巡り、新制度では、ガス料金を「基本料金」の他、使用量に応じて決まる「従量料金」、配管やガス機器などの「設備料金」の三つに分けて示すよう徹底させる。設備料金にはエアコンなど無関係の設備費を計上しない。

 賃貸集合住宅では、設備料金そのものの請求を禁止する。違反した場合は立ち入り検査や勧告・命令を行い、事業者登録取り消しや30万円以下の罰金を科す。

 LPガスは全国の4割に当たる約2200万世帯が利用し、LPガス会社は零細事業者も含めて約1万6千社ある。地域に欠かせないインフラになっており、利用者に支持され続けるために商慣行の是正が急務になっている。

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