日本の半導体巻き返しなるか ラピダスが新工場建設に着手
財界オンライン / 2023年9月20日 15時0分
トヨタ自動車やNTTなどが出資するRapidus(ラピダス)が、初となる自社工場建設に向けて起工式を行った。昨年8月に次世代半導体の国産化を目指す新会社として設立されてから1年余、ようやく動き出した。
ラピダスが新工場を建設するのは北海道千歳市。国内初となる2ナノメートル以下の最先端ロジック半導体の開発・生産を行う予定で、起工式には経済産業大臣の西村康稔氏や北海道知事の鈴木直道氏らが駆け付けた。
27年に量産を開始する計画で、総額5兆円規模の巨額投資になる見通し。経産省はラピダスに合計3300億円の支援を決め、国を挙げて先端半導体づくりに挑もうとしている。
半導体は米中対立などを背景に経済安全保障の観点から重要性が高まるばかり。ただ、現在の先端品である3ナノメートルの半導体をつくれるのは、半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)と韓国サムスン電子の2社。両社は25年に2ナノの量産を目指しているが、日本で製造できるのは40ナノ。日本は10年、20年遅れとも言われている。
このため、ラピダスは先端微細化回路の基礎研究で成果を上げている米IBMやベルギーの研究機関imec(アイメック)と提携。〝国際連携〟を巻き返しの切り札にしようとしている。
社長の小池淳義は起工式で、「無事に起工式を迎えることができましたが、これは始まりであり、これからラピダスの名のごとく、前例のないスピードで工場を完成させます」と挨拶。
社名のラピダスは「速い」を意味するラテン語にちなんだもので、今後は同社のスピード感が問われそうだ。
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