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【財務省】政権浮揚に向けた内閣改造 「インボイス」への不満も火種

財界オンライン / 2023年9月21日 11時30分

岸田文雄政権は9月中に行う内閣改造・自民党役員人事で刷新感を示し、政権浮揚を狙うが、10月1日に導入される消費税のインボイス(適格請求書)制度に対する小規模事業者の不満を解消できなければ、政権運営は厳しさを増しそうだ。

 岸田首相はインボイス制度に関する閣僚級会議の新設を決め、鈴木氏に「事業者に寄り添う」対応を指示したが、小規模事業者の裾野は広く、不満解消が進むかは見通せない。改造では鈴木俊一財務相の処遇も焦点だが、改造後の財務相が誰であれ、防衛増税を巡る財源確保にインボイス制度への対応も加わり、引き続き政権の命運を握る重責を担うことになる。

 9月5日の記者会見で、記者から今後の対応について、決定済みの激変緩和措置や負担軽減策の拡充なのか、相談窓口など制度の円滑な運用なのかを問われた鈴木氏は「更にどのような支援策が考えられるのか、事業者の声にも耳を傾けながら検討していく」とし「今の時点で具体的なことは決まっていない」と述べた。9月中に閣僚級会議の初会合を開く方向だとも明らかにした。

 鈴木氏はこの会見で「昨日首相から指示を受けた」とも語ったが、導入1カ月前に重い腰を上げた形で、政府の対応が遅すぎるのは否めない。免税事業者からインボイス発行事業者に転換する際の手続きなど、数カ月前には複数の自民議員の元に事業者から苦情が寄せられ、「放置すれば政権批判になりかねない」(閣僚経験者)と懸念する声が出ていたためだ。

 新しい制度導入の際は、多少の混乱や反発は起こりやすいとはいえ、個人情報や負担増が伴う制度で欠陥があったり、混乱が生じたりすれば政権運営が揺らぐリスクを招く。記憶に新しいところでは、マイナンバーを巡るトラブルで政権支持率が急落した〝教訓〟もあっただけに、与党内では「もっと早く対応すべきだった」(自民幹部)との不満がくすぶる。

 かつて、財務相ポストは首相を目指す政治家が目指し、政策通で発信力が高い政治家が担ってきた。今回の改造で鈴木氏の処遇はどうなるのか。

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