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【財務省】鈴木大臣は続投、与党からの財政支出圧力に諦めムード

財界オンライン / 2023年10月11日 11時30分

鈴木俊一財務相は9月13日に発足した岸田文雄第2次再改造内閣で続投し、2024年度予算編成など引き続き重責を担うことになった。

 ただ、政府・与党内で期待されていた改造後の支持率回復もままならない上、鈴木氏が歳出改革に着手できるかは見通せない。岸田首相は長期化する物価高を受けて10月中にも経済対策を取りまとめる方針だが、与党からは早速「15~20兆円は必要」(自民党の世耕弘成参院幹事長)などと大型の財政支出を求める声が上がっている。

 鈴木氏は会見で「財政健全化を進めていくことが重要だ」と述べたが、〝部下〟の財務省幹部の間では「党幹部の顔ぶれが変わらない限り歳出改革はできない」(主計局)と早くも諦めムードが漂う。

 元官房副長官で岸田首相の信頼が厚い木原誠二氏が自民幹事長代理に就き、首相官邸と与党の連携はスムーズになりそうだが、これまで歳出カットを目指す財務省の動きを抑えてきた木原氏に、歳出圧力を強める与党をけん制する役回りを期待することは難しい。さらに、来年9月に想定される自民総裁選での再選を目指す首相にとって、党内最大派閥の安倍派の重鎮であり、積極財政を唱える萩生田光一氏の意向は無視できない。

 抜本的な歳出改革は手つかずのままになりそうだが、今後〝変化球〟があるとしたら、財務省の宇波弘貴官房長の後任として首相秘書官になった一松旬氏だろう。昨年末、防衛増税の設計に尽力した一松氏が歳出カットに向けた布石を打つ可能性はありそうだ。

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