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横浜のIR撤回後の行方は? 「山下ふ頭」再開発が動き出す

財界オンライン / 2023年10月16日 11時30分

東京湾の国際競争力の底上げに期待がかかる横浜の「山下ふ頭」

来年はペリー来港170年

 カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致撤回を決めた横浜市がIRの候補地だった「山下ふ頭」の再開発に動き出した。

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 8月下旬、山下ふ頭の将来的な活用方法を話し合う「山下ふ頭再開発検討委員会」が始動。委員長には日本総合研究所会長の寺島実郎氏が就き、建築家の隈研吾氏や神奈川大学理事長の石渡卓氏、都市開発を手掛ける東急グループの東急総合研究所会長の今村俊夫氏などが委員だ。

 山下ふ頭周辺にはスタジアムや展示場、企業の本社・研究機関、大学、公園、ミュージアム、ホテルなど多彩な施設があり、地元住民の居住地も隣接する。ただ、各所が一体としてつながっていないなど課題が多い。

 委員からは「分断している横浜をどうつなぎ直すか」(隈氏)、「防災機能の役割を持たせるべき」(専修大学社会科学研究所研究参与の平尾光司氏)、「民間による事業投資を促すことが重要」(今村氏)など声が上がる。

 横浜港と言えば、かつては世界の港湾ランキングで神戸港と並んで世界1位・2位だったが、近年は共に70位台に沈んでいる。寺島氏は「大きな視野と構想力が求められる」と訴えた上で、「1つの案に絞り込むのではなく、多様な選択肢があることを明らかにしたい」と述べる。

 検討委員会は決定機関ではなく、様々な選択肢を提示して横浜港全体を高付加価値な港につくり直すことが役割。それがひいては東京湾の国際競争力の向上につながるからだ。そのため市民の当事者意識は不可欠だ。今後1年程度で議論をまとめて横浜市長に答申。それを受けて市が事業計画を策定し、30年頃の利用開始を目指す。

 ペリーが横浜港に来港して来年で170年。横浜港の新たな仕組みづくりが求められる。

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