〈会社設立100周年を迎えて〉銘建工業・中島浩一郎社長を直撃!
財界オンライン / 2023年10月12日 7時0分
宅用の柱や梁に使われる構造用集成材は国内トップ
─ 銘建工業は1923年(大正12年)の創業から今年で100周年を迎えるわけですが、まずは100周年の感想から聞かせてくれませんか。
中島 おかげさまで、何とか100周年を迎えることができました。これも従業員やお客様に支えられてのことですので、本当に感謝しております。
当社は祖父が100年前に、中島材木店として製材所を創業したのがはじまりです。祖父が早くに亡くなりまして、わたしの父が1947年に当社を引き継ぎました。現在の主力である集成材の製造を始めたのは1970年からでして、それまでメイン商品だったフローリング材が売れなくなり、培った製材や乾燥の技術がいかせる集成材の製造にチャレンジしました。
スタートして数年は鳴かず飛ばずでしたが、品質の確かさが認められ徐々に拡販していきました。1995年の阪神・淡路大震災を機に、強度の確かな材料として一気に普及が拡大しまして、50年後の現在も主力製品です。住宅用の柱や梁に使われる構造用集成材は国内シェアトップクラスです。
─ 読者のために改めて、構造用集成材とはどういうものですか。
中島 板状に切り分け、乾燥させた木材を接着剤で組み合わせてつくる木質材料です。1本の木からは取りづらい断面や長さが容易に作れるもので、金沢駅(石川県)の東広場にある「鼓門」など、大型建築物の建設も多数手がけています。
現在は製造工程で発生する木くずを有効活用し、40年くらい前からバイオマス発電事業にも取り組んでいます。木はどうしても、丸いものを四角い製品にする過程で、丸太の半分以上は端材や木くずとなってしまいます。そのまま捨ててしまえば産業廃棄物となりますが、それを有効活用しようということで、1998年に木くずを燃料に利用するバイオマス発電所を本格的に整備しました。
─ このバイオマス発電はESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)といった社会の流れにも合致するものですね。
中島 ええ。その後、2015年には地元自治体の真庭市や地域の木材関係団体と共同で「真庭バイオマス発電」という発電所を設立し、地域社会や地域経済、そして環境が一つにつながる循環型社会をつくっていこうと。このように、われわれは持続可能な資源である木材を利用し、お客様や社会にとって新しい価値をつくり出すことを目指しているところです。
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