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トヨタがLG化学と電池で提携 全方位戦略を掲げてEVにも注力

財界オンライン / 2023年10月25日 7時0分

トヨタ自動車の電動化戦略のカギを握る全固体電池

出光と全固体電池で協業

 出遅れていると指摘されていたトヨタ自動車の電動化戦略が徐々に動き出している。ここにきて目立つのが電池の調達だ。

 トヨタは韓国LG化学と電池材料の供給契約を締結。米国で建設中のトヨタの電池工場に正極材を納入する。また、LG化学の電池子会社・LGエナジーソリューションとは、トヨタが米国で生産する電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池を供給することで合意済み。

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「地域のエネルギー事情や需要に応じたパワートレーン(駆動装置)を提供するマルチパスウェイ(全方位)戦略を進めているが、電池も地産地消を基本とするマルチパスウェイ戦略だ」と関係者は語る。

 トヨタの電池戦略は2027~28年頃に実用化される全固体電池を主軸に置きながらも、既存のリチウムイオン電池の進化も重ねる。具体的には26年に導入予定のEV向けに高性能角形電池を投入し、同年から27年にかけて安価なリン酸鉄リチウムを採用したEVを実用化。次世代の全固体電池も30年に実用化する構想を練っている。

〝多様化〟は電池だけではない。調達先も同様だ。韓国企業と米国での電池調達に手を打つだけではなく、中国企業とも提携を進めているからだ。トヨタは19年に車載電池で中国・寧徳時代新能源科技(CATL)と新エネルギー車向け電池で包括提携。比亜迪(BYD)とも電池供給で提携済みだ。BYDとはEVを共同開発し、トヨタブランドで中国市場に投入することでも合意している。

 もちろん、日本でも電池への投資は進む。子会社で自動車用電池を生産するプライムアースEVエナジーが静岡県湖西市内に新工場を新設。パナソニックホールディングスとの共同出資による子会社・プライムプラネットエナジー&ソリューションズの姫路工場も増強するなど、EV向け電池生産に日米で最大7300億円を投資するなど佐藤恒治社長の「EVファースト」が具現化している。さらに全固体電池では、出光興産とも量産で協業する。

 ただ、今はEVへの移行期間。トヨタが得意とするハイブリッド車で投資資金を稼がなければならない。しばらくは〝両にらみ〟の経営が続くことになる。

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