ドコモがマネックス証券を子会社化 金融サービス出遅れに危機感
財界オンライン / 2023年10月27日 20時0分
新NISAを控え 顧客獲得競争が激化
「マネックスにとって最高のディール」─。NTTドコモによる子会社化が発表された10月4日、市場関係者の間ではこんな評価が広がった。
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NTTドコモがネット証券3位のマネックス証券を子会社化し、金融サービスを強化する。2024年1月に中間持ち株会社を通じてマネックス証券に49.05%を出資する。
競合するKDDIやソフトバンク、楽天がそれぞれグループ内に証券会社やネット銀行を抱え、ポイント決済サービスなどを軸に独自の金融経済圏づくりに注力する中、銀行や証券子会社を持たないドコモは競争に出遅れていた。
ドコモ社長の井伊基之氏は10月4日のマネックスグループとの資本提携の記者会見で、銀行機能の拡充について「決まっていることはないが、大きなテーマだ。考えていきたい」と語り、意欲を示した。
一方、来年1月からの新NISA(少額投資非課税制度)開始を睨んでSBIと楽天の2強は今年9月以降、相次いで日本株の売買手数料無料化を打ち出したが、マネックスも対応を迫られていた。そんな中で約9600万人の「dポイント」会員を抱えるドコモの傘下入りは起死回生の一手。
今後の最大の注目点は今回の提携がマネックス証券の生き残り策に止まらず、ドコモの金融経済圏の形成に貢献できるか。ドコモの井伊氏は会見で「マネックスグループと資産形成の世界を変えていきたい」と表明。
ドコモは銀行と提携して提供していた電子決済サービス「ドコモ口座」で20年秋、不正な資金引き出しが発覚。このトラウマから経営陣は金融事業に慎重になっていたというが、今回のマネックス証券子会社化はそんな甘い事は言っていられないとの危機感の表れ。
ドコモの課題は収益拡大。携帯電話市場は飽和状態にあり、通信料収入の大幅増は見込めない中、新たな成長を目指すためには金融事業の育成が必須。
証券に続き銀行も傘下に取り込み、金融経済圏を築けるか。NTT本体の次期トップ候補にも取り沙汰される井伊氏の手腕が試されている。
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