【経済産業省】公平な競争確保に向け、公取委がニュースサイト調査
財界オンライン / 2023年10月19日 15時0分
公正取引委員会が、ヤフーや米グーグルなど、巨大IT企業が運営するニュース配信のポータルサイトやアプリについて実態調査結果を公表した。
ニュース提供元である報道機関に支払う記事使用料を巡り、著しく低い場合は独占禁止法で禁じる「優越的地位の乱用」となり得るとの見解を示した。
新聞や雑誌といった既存メディアの読者が減少する一方、サイト利用者が拡大する中で、公平な競争環境の確保に向けて取引条件の改善を促す。
公取委は、ニュースサイトの運営事業者などに聞き取り調査を実施。メディア220社と消費者2000人からアンケートの回答も得た。中でもヤフーは、報道機関の約6割にとって最大の取引先となっていることなどから、メディアとの関係で「優越的地位にある可能性がある」と指摘した。他の事業者については、優越的地位にある可能性が「否定されない」とした。
報告書は、記事使用料の水準も明らかにした。サイト運営事業者6社が報道機関に支払った2021年度の使用料の平均は、ページ閲覧回数1000回当たり124円だった。最も安い事業者で49円、最も高い事業者で251円30銭と約5倍の開きがあった。原資となる広告収入の総額から使用料支払いに充てた割合は、1社当たり平均約24%だった。
公取委は、記事使用料の算定方法を可能な限り開示することや、事業者の収益への貢献の程度を使用料に反映することが望ましいと指摘。この他、見やすい位置に見出しが表示される「主要ニュース」の選定基準を明示することが望ましいとし、異なる基準で掲載機会を減少させるなど、記事の提供元に対し不当に不利益を与える場合は独禁法上問題になるとまとめた。
報告書を受け、ヤフーはメディアとの契約内容の見直しを検討すると発表。日本新聞協会は、事業者側に「報道機関と真摯に協議するよう求める」などとする見解を公表した。
「政府は『デフレ脱却宣言』に慎重姿勢崩さず」みずほ証券・上野泰也の見方
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