デジタルデータソリューション社長・熊谷聖司「世界中のデータトラブルで困っている人を助けることができる企業に」

熊谷聖司・デジタルデータソリューション社長

データトラブルに対応、予防する企業として

　社会のデジタルシフトが加速する中、現代は「データの時代」とも言われています。しかし、その分データを巡るトラブルの件数は増加しています。当社はデータに関してインシデントが発生した際に対応に当たる会社です。例えば「データが飛んでしまった」、「辞めた社員にデータを持って行かれてしまった」というトラブルが起きた時には当社の出番になります。

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　その意味で、「データリカバリー」、「フォレンジクス」、「サイバーセキュリティ」の各事業を手掛けている当社にとって、事業環境はいいと言えます。データ復旧サービスでは、専門業者として国内売上ナンバーワンとなっている他、近年では「サイバー犯罪」に関して、捜査機関からも依頼を受けて協力しています。

　お客様である企業の方々も、データを守る手立てを打つ必要性は強く認識していますが、今はまだ、我々が提供するソリューションを導入するか否かの判断がつかない企業が多いというのが現実です。これは当社の事業のみならず、日本全体のデータセキュリティを考える上で弱点になっていると感じています。

　また、日本は製造業を中心に多重下請け構造になっていますが、本体や一次請け、二次請けの企業は対策ができていても、サプライチェーン全体では未整備な部分が多いのが実態です。その企業の規模などに応じたサイバーセキュリティ対策はありますから、今後ぜひ検討をしていただきたいと思います。その意味で、啓発活動も重要だと考えています。

　トラブルが起きた後の対応を万全にしていくことはもちろんですが、起きる前の予防に関するサービスもラインナップとして揃えています。ですから今は、件数はデータリカバリーが多いですが、事業の成長率で言えばセキュリティが圧倒的です。


「困った人を助けたい」この意識だけで…

　当社の強みは技術力です。データリカバリー、フォレンジクス、サイバーセキュリティ、いずれの事業も世界レベルだと自負しています。しかも、大企業のように数年かけて研究開発をするのではなく、「野戦病院」のように日々現場で揉まれたエンジニア達が、自らの創意工夫で開発する風土になっているのです。

　当社の企業理念は「困った人を助け、困った人を生み出さず、世界中のデータトラブルを解決します」です。とにかく目の前にいる困った人を助けたい、その意識だけで仕事をしていると言えます。当社では全社員が同じ志を持っているのです。

　ですから、困った人を助けるための技術、サービスに向けた投資には力を惜しみません。一方で、我々も株式会社ですから利益を出さなければなりません。困った人を助けながら、いかに利益を出すかという点も踏まえて、経営者としては2軸を意識しながら会社経営をしています。

　今、40行の地方銀行さんと連携して、地域の企業に向けて商品の提案やセミナーを開催しています。また、メーカーとの提携も進んでおり、我々の事業の販路拡大については手応えを感じています。

　さらに今は、海外にも目を向けています。世界には我々のように、リカバリー、フォレンジクス、サイバーセキュリティという3つの機能を1社でまかなっている企業は、ほぼありません。そこで世界中の困っている人を助けるべく、日本人の若者を教育しています。すでに欧州、アメリカ、アジアに展開することを決めています。

　また日本の政治、行政に対しても、我々の「現場からの声」を届け、少しでも困った人を助け、困った人が出ない環境構築の一助となれればと思います。