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【母の教え】服部真二・セイコーグループ会長「母の『ごまかしてはいけない』という言葉は、私の生き方や会社経営に今も生きています」

財界オンライン / 2023年11月3日 11時30分

服部真二・セイコーグループ会長

時計大手セイコーグループ創業者・服部金太郎氏のひ孫として生まれ、10代目社長をつとめた服部氏。ところが、自身の中では「父方よりも母方の血筋を受け継いだ」と語る。本人曰く、母に似て喜怒哀楽がはっきりしていて、情に厚い性格。「母は私と本当によく似た性格でした」と語る服部氏の思い出とはーー。

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母方の血筋を受け継いで…

 セイコーグループは1881年(明治14年)に、服部金太郎が服部時計店を創業したのが始まりです。私は創業者・金太郎のひ孫にあたり、世代としては4代目ですが、社長としては10代目となります。

 母・桂子(1929年=昭和4年生まれ)は子供がそのまま大人になったような感じの人で、喜怒哀楽がはっきりしていて、情に厚い。天真爛漫で思ったことがすぐに口に出て、感覚や感性で動くんです。悪く言えば気分屋だし、早とちりしがちで慌て者(笑)。ですから、私と本当によく似た性格でした。



 母は祖母・初枝(母の母)とも性格が似ていて、母は祖母とよくケンカしていたし、私も母とよくケンカをしました。お互いに決して仲が悪いのではなく、似た者同士だからよくケンカをしたのだと思います。

 私は父方よりも、母方の血筋を受け継いだようです。服部家代々を見ていくと、長男はいずれの世代も服部家の顔をしていて、学者気質でお酒が飲めません。ところが、次男は私にしろ、上の世代の禮次郎(5代目の社長)にしろ、お酒も飲めるし、性格も明るく人懐こく、大らかで、自由奔放な感じです。

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 父・謙太郎(1919年=大正8年生まれ、4代目の社長)はあまり何も言わないタイプで、何をやっても怒らない。私が小学3年生の頃、煙草に火をつけてみて、いたずらをしたことがありますが、その時も「法律で煙草は20歳になるまで吸ってはいけないから止めた方がいいだろう」と言って終わりでした。

 一方、気絶するほどビックリしたのが母です。煙草に火をつければ匂いがするので分かったんでしょうね。それでも、私は「火をつけていない」とウソをついたら、バシっとビンタされました。要するに、人をごまかしてはいけないということです。

 大人になってから思ったのは、当然ですが、仕事をするからには社員やお客様をごまかしてはいけないし、ウソをついてはいけない。会社の不祥事や不正会計のような問題も、はじめにごまかすから取り返しのつかない事態になってしまう。これは全ての国や人も同様で、最初にごまかすから、おかしなことになってしまう。そういう出来事がありました。

 母から叩かれたのは2回あって、もう1回はバイオリンでふざけていた時です。私は幼稚園からずっとバイオリンをやらされていて、あまり好きではなかった。それで小学校の頃にわざと変な音を出してふざけていたら、「辞めたいならそう言いなさい」と言って怒られました。

 私が幼稚園に通っていた頃によく言われたのは、「常に周りに感謝をしなさい」ということでした。苦しい時も、ツラい時も、嬉しい時も、悲しい時も、何があっても感謝だと。これはよく祖母が言っていた言葉で、母を育てた祖母の教えでもあるのです。

続きは本誌で

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