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セブン-イレブン・ジャパン社長・永松文彦「今まで以上にお客様や加盟店を最優先に考え、地域や社会に無くてはならない店づくりを!」

財界オンライン / 2023年11月2日 7時0分

永松文彦・セブン-イレブン・ジャパン社長

今後は新コンセプト店舗『SIPストア』を開発

 今年11月、当社は創業50周年を迎えます。これもひとえにお客様、全国2万1千超ある加盟店のオーナー様や従業員の皆様、お取引先様、株主様、社員、地域社会の皆様など、これまでセブン-イレブンを支えてくださったあらゆる方々に感謝申し上げます。

 加盟店のオーナー様は既存の酒屋さん等から業態転換された方や、商売を始めるために独立された方などがおります。フランチャイズビジネスとして1店1店の利益が出る必要があり、われわれ本部にとっても責任は大きいと考えております。

 また、当社には商品の生産、開発から製造、配送、販売に至るまで、多くのステークホルダーがいるため、それだけ会社は成長し続けなければならない、絶えずイノベーションが必要だ、という使命と責任を強く感じる毎日です。

 日本にコンビニが登場して50年、われわれを取り巻く社会環境は大きく変化しています。

 少子高齢化や単身世帯の増加、女性の社会進出やコロナ禍を経ての在宅勤務の増加など、人々のライフスタイルや働き方が大きく変化し、コンビニに求められる役割も変わってきました。そこで、われわれは4つのビジョン(健康・地域・環境・人財)を通じて、「ソーシャルグッドな存在」として日本の社会課題解決にも取り組んでいくことを決めました。

 また、地域のニーズに合った店づくりを進めるため、当社が掲げるのは「脱ワン・フォーマット」です。画一的な店舗展開を改め、例えば、店舗も郊外型・住宅型・都市型に分類し、店ごとに品揃えは変えています。

 エリアごとのニーズの違いとして、わたしがよく例に挙げるのが、北海道・北見と東京・銀座です。その2つでは、客単価が倍も違います。

 都市部ではいろいろなお店が密集しているので、例えば、お客様のニーズはコーヒー一杯だけでいいと。一方、北見は周辺エリアにお店が少ないため、コンビニがスーパーのような役割を果たし、お客様も様々な商品を買って行かれます。

 お客様のニーズに応えるため、品揃えや店舗面積もコンビニエンスストアの業態の垣根を越える必要があります。一つの事例として、新コンセプト店舗『SIPストア』の計画があります。

 通常のコンビニは売り場面積30~40坪が平均的ですが、SIPストアは100~150坪。コンビニとスーパーを組み合わせて、品揃えを拡充し、1品、1品の味や品質という付加価値の高い商品を販売していこうと考えています。

 何十年も前からコンビニ飽和論が叫ばれていますが、それぞれの地域やニーズに合った店づくりを行い、差別化が出来ていれば、飽和することはありません。今まで以上にお客様や加盟店の方々を最優先に考え、地域や社会に無くてはならない店づくりを目指していきたいと思います。

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