トヨタもテスラ充電規格を採用へ EVの今後の主導権は?
財界オンライン / 2023年11月13日 11時30分
「これで北米の充電規格では(米電気自動車メーカーの)テスラがデファクトスタンダード(標準)を握った。テスラにデータを吸い取られないような対策が必要になる」。日系自動車メーカーの関係者は引き締める。
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2025年からトヨタ自動車が北米で販売するEV(電気自動車)では、テスラの充電規格を採用することで合意した。すでに日本勢では、日産自動車とホンダがテスラ規格の採用を決めており、北米でのテスラの充電規格の採用が広がっていた。
テスラの充電規格は急速充電器。日本では僅か400基しかないが、全米では約3万基のうち1万8000基以上で6割を占める。米自動車メーカーも今春に入ってフォード・モーターとゼネラル・モーターズが採用。欧州勢では独メルセデスベンツも採用を表明した。
トヨタが採用したのは「多様な選択肢を提供するという電動化戦略に則り、充電についても、それぞれの地域にあったサービスを提供し、自宅でも公共の場でも不自由のない充電体験を通じ、お客様の利便性向上を目指す」ためだ。「それだけテスラ規格の使い勝手が高い」(関係者)。
テスラ車で充電する場合には、充電の終了から決済までタブレットやスマホの操作で終わる。一方の日本の充電規格では充電カードを取得し、拠点を見つけて到着したらQRコードを読み取ってIDやパスワードを入力するなどひと手間かかる。ただ、「データや充放電の安全性は日本規格の方が優れている」(同)とも言われるが、北米についてはテスラの利便性が勝った形だ。
トヨタはEVの生産方式でもテスラ方式を参考にした一体成型技術「ギガキャスト」を導入するなど、EV時代の到来で両社の立ち位置も変わりつつある。しかも、充電器はEVの走行データも取得できると言われており、テスラの支配力が高まることを懸念する声も上がる。
顧客の利便性を高めることも重要だが、ビジネスの主導権をいかに握るか。トヨタは新たな選択を迫られている。
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