「RENOSY 土地活用」部長が訴える「不動産を『負の遺産』にしないために今からできること」
財界オンライン / 2023年11月27日 18時0分
不動産価格が高騰する一方、空き家問題は深刻化し、国や自治体をあげて、法律や条例を制定するなどの対策を始めています。2023年4月には、相続者のいない土地を手放すことのできる「相続土地国庫帰属法」が制定され、京都市では26年以降に「空き家税」を課す予定もあります。
【あわせて読みたい】「築地市場跡地」再開発に三井不動産連合などが名乗り
読者の方の中には土地をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、その土地を受け継ぐ次世代にとって、相続税や固定資産税、維持管理費用などの発生により、負債と考えられてしまう場合もあります。それでは、お持ちの土地・不動産を負の遺産にしないために今からできることは何でしょうか。
アパート建設・経営の土地活用を主に行う東建コーポレーション、現在は土地所有・相続に悩む方々へコンサルティングをする「RENOSY 土地活用の相談窓口」にて、20年以上土地活用支援に従事する私の経験からその方法をお伝えします。
まずは、所有する土地の実態把握と情報整理を行うことが肝心です。どこにどれくらい土地があり、それが更地や駐車場等どのような状態で、そして誰が相続対象なのかといった情報を整理する必要があります。
次に、現在の所有者、引き継ぐ予定の方々を含め、ご家族でその土地を「売却したい」、「収益アップ目的で活用したい」、「とにかく節税したい」といったようにどうしたいか相談されるのがよいでしょう。思い出のある場所であればあるほど、家族内で意見が食い違ってしまうこともあるかもしれません。
そういったお困りごとがあれば、このタイミングで土地活用コンサルティングをする企業やファイナンシャルプランナーなどに問い合わせてみるのもひとつの手段です。
自治体によっては、相続に関する相談を受け付けている窓口もあるので、お住まいの自治体のHPを確認することもおすすめします。第三者の視点を入れることで新たな選択肢や土地のバリューアップの可能性も生まれます。また活用方法によって、相続税に対する軽減税率の適応や、固定資産税の減税額が変わってくるため、思わぬ費用の発生を事前に防ぐことができます。
実際稼働率の低いビジネスホテルをテナント付きの自宅併用マンションに建て替えた事例では、相続税対策と継承権の道筋を明確にしたことにより、節税だけでなく家賃収入も得ることができました。オートロックや防犯カメラ等のセキュリティも強化したため、相続した家族も満足のいく結果となりました。
しかし、土地活用をするにあたっては、法律や条例の変更に注意しないといけません。以前は認められていたことに規制が入り、新たな手続きが求められることがあるためです。
例えば、ガソリンスタンド跡地の売却・活用をする場合は、12年より各自治体への届出が必要になりました。自治体によっては、土壌汚染調査や汚染がある場合には対策が求められ、多額の費用が発生する可能性もあります。また来年24年は相続のルールが大きく変わり、相続登記の申請義務に違反した場合は10万円以下の過料が科せられることが予定されています。
所有する不動産を負の遺産にしないためには、不動産の知見、法律・条例などあらゆる視点から活用を検討し、リスクヘッジをしながら利益を最大限に生むといった視点が大切です。プロの意見も取り入れながら複数のプランを比較し、資産としてベストな形で次世代に受け渡すために準備をしてみてはいかがでしょうか。
この記事に関連するニュース
-
高齢の親が地方に住んでいるのですが、亡くなった後は実家が空き家になる可能性があります。相続登記が義務化されると、空き家はどうなりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月27日 22時20分
-
【相続の相談をしたい相手ランキング】回答者500人アンケート調査
PR TIMES / 2024年11月25日 10時45分
-
57歳「賃貸暮らし」の会社員。相続した遠方の実家は「築40年」で使い道がない! 売却したいけど税金がかかるって本当ですか? 自宅を売ったときはかからなかったのですが…
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月23日 4時20分
-
誰のおかげだと思ってんの?地主の父からの遺産10億円超の大部分を相続しようとする苦労知らずの〈2代目・50歳弟〉に不信感…20年間、遺産分割で揉めている〈55歳長女〉がついに動いたワケ【相続の専門家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月18日 11時15分
-
親が亡くなりました。親の遺産に不動産があるのですが、不動産は相続のときにトラブルになりやすいと聞きます。どのようなリスクがあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月16日 23時0分
ランキング
-
1LUUPと交通違反、タイミーと闇バイト、メルカリとさらし行為――“性善説サービス”はいずれ崩壊するのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月29日 8時10分
-
2コーヒー豆が歴史的高騰、NY市場で最高値…産地のブラジルやベトナムで不作
読売新聞 / 2024年11月29日 0時0分
-
3風呂キャンセル界隈?「日本の偉人」まさかの素顔 凄い人物でも部屋が汚い、そんな姿に親近感も
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 11時0分
-
4三菱UFJがウェルスナビを買収 ロボットアドバイザー大手
共同通信 / 2024年11月29日 11時29分
-
5会社の「倒産リスク」を"見える化"する4つの方法 安全性は、会社の体つきと血液の流れをみる!
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 9時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください