安田倉庫・藤井信行社長 「エーザイ物流のグループ化など他社にない強みで物流に付加価値を」
財界オンライン / 2023年11月20日 11時30分
「装置産業から脱却し、サプライチェーン(供給網)の一環を担うプレイヤーとしてお客様に物流分野におけるソリューションを提供していく」
フジッコ・福井正一の”こだわり経営” 「美味しさと安全の追求、この軸はブラさない!」
1919年の創立以来、倉庫を核に物流事業を展開。強みは立地だ。羽田空港の近隣に複数運営する、北海道や九州への緊急配送が可能な物流拠点が、特定分野の顧客に好評だという。
その分野とは医療機器だ。「繊細な取扱いや高い物流品質が求められる精密機器から始まり、そのノウハウの積み重ねからメディカル分野でも強みを発揮した」。物流業者として初の全区分の医療機器修理業許可を取得。これにより「修理のために病院から返却された医療機器をメーカーに戻す工程が省略され、スピーディーな物流サービスを提供することができる」。大手物流会社にはない中堅会社だからこそ「強みを磨きたい」と話す。
また、同じくメディカル分野の医薬品では、今年3月にエーザイからエーザイ物流(現・安田ロジファーマ)をグループ化し、2024年春には埼玉県加須市に医薬品の適正流通基準「GDP」を備えた倉庫を竣工予定。国内有数の医薬品物流プラットフォームづくりも進む。
物流業界ではドライバーの時間外労働規制が強化される2024年問題の対応が課題だが、石川県の大西運輸、長野県の南信貨物自動車、京都府のYSO Logiをグループ会社化。「地場の運送会社だからこそ地場に根付いており、ドライバーの工面もできている」
また、東京・東雲営業所では自動フォークリフトを試験導入。高性能センサーや自社開発のソフトウエア、ロボット群制御のAIで倉庫内の作業を効率化させる狙い。「現場の生産性を向上させるため、新技術には早めに着手していく」と語り、23年度の営業収益680億円を目指す。
銀行員時代に製薬会社をはじめ、様々な業界を担当。「いろいろな産業を見てきたことが今に役立っている」と語る。座右の銘には「得意淡然 失意泰然」を挙げる。常に冷静でいることを心掛ける日々だ。
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