業績好調のコンビニ各社 三者三様の価格戦略で対応
財界オンライン / 2023年11月20日 7時0分
「セブン-イレブン・ジャパンの強みを生かした商品開発やフェアの販促による施策が奏功した。これまでの取り組みがお客様に受け入れられた証左だと手応えを感じている」と語るのは、セブン&アイ・ホールディングス社長の井阪隆一氏。
セブン&アイが2023年中間期(3―8月期)の連結決算を発表。営業利益が2411億円(前年同期比2.7%増)となり、過去最高益となった。
けん引役となったのが、国内コンビニエンスストア事業で値上げが浸透。今年9月までの既存店売上高は19カ月連続で前年比プラス。ここ数年、約67万円で推移していた1店舗あたりの平均日販は初めて70万円を突破した。
かねてから、セブン-イレブン・ジャパン社長の永松文彦氏は「コンビニ飽和論が叫ばれているが、それぞれの地域やニーズに合った店づくりを行い、差別化が出来ていれば飽和することはない」と繰り返しており、それを証明した形となった。
一連の物価上昇に伴う商品値上げが浸透し、コンビニ各社の業績は好調だ。
ファミリーマートもプライベートブランド『ファミマル』の販売拡大などにより、事業利益は517億円(同32.9%増)と過去最高。「価格以上の価値を感じていただける商品の開発を継続した」(同社)ことで客単価も向上し、平均日販は55万円となった。
また、ローソンも事業利益は530億円(同45.8%増)で、平均日販は55万円。今年の春夏は600円以上のお弁当が半数以上を占めていたが、物価上昇が若干落ち着いてきたことから、秋以降は500円台の商品を増やしていく考え。
社長の竹増貞信氏は「お客様はインフレで少しストレスが溜まっているので、ローソンに来るとワクワクお得感の味わえるような価格にしたい」と語る。
足元では中東での地政学リスクや中国での経済減速懸念が高まり、原油価格には一服感が出ているが、「消費者には節約疲れが出ている」(食品スーパー関係者)との声は根強い。今後も各社の値上げ・値下げが入り混じった価格戦略が続きそうだ。
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