元防衛大臣・森本敏が語る「2024年のキーワード」
財界オンライン / 2023年12月7日 18時0分
世界は米中の時代に
─ 2024年のキーワードを上げるとしたら何ですか。
森本 国際情勢の変革期到来ということだと思います。基本的には、世界は米中の時代になって、ロシアも大国と言うけれど、もう元の力を取り戻すことはできないので、中国に依存するしかない。米国に唯一対抗できる国は中国しかありませんから、完全な米中対立の時代になると思います。
特に来年、2024年は1月に台湾総統選挙があり、2月にインドネシア、3月はロシア、4月はインドと大きな選挙が続きます。ウクライナの選挙はどうなるかわかりません。中国では全人代(中国の国会)があり、そして、11月5日には米国大統領選挙が行われます。つまり、2024年は政治の大きな変わり目に当たる年になります。
日本にとって最も注視すべきは、中国と北朝鮮と台湾です。台湾の総統選挙では、結局、対中強硬路線を敷く与党・民主進歩党(民進党)が勝つと思いますが、そうなると、中国による政治的・経済的統一も容認しない。すると次は米国の大統領選挙をみるということになる。
─ 対立状況ですね。
森本 ただ、対立と言っても、軍事的にも経済的にも台湾は中国の10分の1程度ですから、何かあったら米国の助けが必要なんです。米国が助けてくれるかどうかで、台湾情勢は大きく変わります。
ところが、米国の大統領選挙で共和党の候補者がトランプ氏になるかどうかは別にしても、共和党が勝ったら台湾情勢は非常に厄介なものになる。伝統的に民主党はロシア脅威優先で、中国とはうまくやろうとする。だから、先日もバイデン大統領は米中首脳会談を行いました。
ところが、共和党は逆で中国脅威論です。だから、共和党になったら中国と完全にぶつかる。それを中国がどうするかです。中国は米国が台湾を助けないと見たら、確実に出てくる。日本はその間に挟まっているだけです。
だから、いろいろな意味で厄介な状態が続くということで、緊張感を伴う1年になると思います。日本は米国と同盟国ですが、中国との戦略的互恵関係は大切にしたい。台湾有事を念頭に置いた場合の日本の立ち位置が決めることになると思います。自立性のある国としての判断が迫られることになります。
第一生命経済研究所首席エコノミスト・熊野英生氏の提言「期待される来年の賃上げ」
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