【金融庁】世界で相次ぐ自然災害 途上国の「保険難民」解消へ
財界オンライン / 2023年12月6日 15時0分
世界的な自然災害の増加に対し、経済的な損害を保険で十分にカバーできない「プロテクションギャップ(補償ギャップ)」が国際的な問題となっている。
金融国際審議官の有泉秀氏が世界約200カ国・地域が加盟する「保険監督者国際機構(IAIS)」の執行委員会議長に就いた金融庁は、この問題の解決に向けた国際的な議論を主導しようと奔走している。
実際、民間の保険が普及していないアジアや南米では過去10年間(2013―22年)に起きた自然災害に伴う経済損失の8割以上が保険による補償を受けていないといい、事態は深刻だ。被災企業や被災者への公的支援が膨らんで国家財政が圧迫されたり、資金不足で企業活動や市民生活の復興が進まないなど弊害が顕在化している。
ただし、問題解決の道筋づくりは容易ではない。補償ギャップの縮小には、保険の対象範囲を広げることと、想定損害額を抑えることの両面からのアプローチが必要だ。
有泉氏らは官民が協調して相互理解を深め、難題の解決に丁寧に取り組む青写真を描く。まず各国における自然災害に関わる経済損害の事例を共有し、損害率などのデータを充実。その上で、保険会社のリスク管理を高度化させ、これまで難しかった分野でも民間が保険を提供できるようにしたい考えだ。
金融庁がこの問題に熱を入れる背景には、グローバルサウス(GS)との関係を強化したい国家的な思惑もうかがえる。
ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突などを背景に、日米欧の西側民主主義陣営と、中国やロシア、イランなど権威主義国陣営が鋭く対立。GSをどちらの陣営が取り込むかが国際政治の最大の焦点。多くの新興・途上国に恩恵をもたらす補償ギャップの解消に道筋を付けられれば、「日本や西側にとって大きな吸引力になり得る」(霞が関筋)からだ。グローバルな課題でいかに成果を出せるか。
第一生命経済研究所首席エコノミスト・熊野英生氏の提言「期待される来年の賃上げ」
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