大正製薬HDがMBOで上場廃止へ「生活者視点で本業に徹していく」
財界オンライン / 2023年12月13日 18時0分
熾烈な競争が続くOTC業界
「お客様の健康や美容を守り、もっと高めていくためにも、社会から認められる方法で本業に徹していく必要がある。そのためには投資家主体ではなく、生活者への貢献を追求していくという長い視点に立って事業を展開していく必要がある」─。大正製薬ホールディングス(HD)社長の上原明氏は語る。
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同社は創業家で副社長の上原茂氏が社長を務める大手門株式会社のマネジメント・バイアウト(MBO)を決めた。買い付け総額は約7100億円と日本企業のMBOでは過去最大規模。短期的な利益の確保を優先するのではなく、中長期的な投資や研究開発などを進める狙いだ。
同社にとって主力事業であるセルフメディケーション事業と医薬事業は変革期を迎えている。栄養ドリンクの「リポビタンD」や風邪薬の「パブロン」といった大衆薬はドラッグストアの店頭で他社の商品との熾烈な価格競争にさらされている。
医療用医薬品とは違って利益率が低くなる一般用医薬品(OTC)を巡っては武田薬品工業がビタミン剤「アリナミン」などを展開する事業を投資ファンドに売却するなど国内市場は約8000億円台で横ばいが続く。
また、医薬品の開発・販売を主とする医薬事業も薬価制度改革、従来の低分子化合物から、より広範で高度な技術が必要となるバイオ医薬品へと開発競争の主軸が移るなど厳しい事業環境が続く。大正製薬HDの2024年3月期の連結純利益も前年比45%減と減益予想だ。
上原氏は「株主の発言を重視することの重要性も重々承知しているが、周囲から束縛されることなく本業に集中したい」(同)と語る。同社は公開買付けなどを経た後には上場廃止になる。
MBOの実施による企業価値向上の具体策として、同社はセルフメディケーション事業における営業体制の抜本的な見直しと自社ECサイトの拡大を進める考え。インターネットを通じた通信販売などを強化するため、そのためのインフラ整備を行っていく考えだ。また、海外事業における製品ポートフォリオの拡大にも投資していく方針だ。
転換期を迎えた大正製薬HDの決断が試されることになる。
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