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【経済産業省】ガソリン税「トリガー条項」凍結解除の協議が難航

財界オンライン / 2024年1月22日 11時30分

自民、公明両党がまとめた2024年度の与党税制改正大綱で、ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除に関する記載が見送られた。財源確保や流通の混乱回避といった制度上の課題が多く、政府・与党内では凍結解除への慎重論が依然として根強い。同条項発動に向けた自民、公明、国民民主3党の協議も進展が乏しく、難航している。

 ガソリンにかかる揮発油税と地方揮発油税には、1リットル当たり28円70銭の本来の税率に加え、25円10銭が上乗せされている。トリガー条項は、ガソリンの全国平均小売価格が1リットル当たり160円を3カ月連続で超えた場合、上乗せ分の課税を停止する制度。3カ月連続で130円を下回れば上乗せが復活する。旧民主党政権時代の10年に導入された後、東日本大震災の復興財源を確保するために凍結された。

 国民民主は、国民負担の軽減につながるとして、かねてからトリガー条項の凍結解除を主張している。自公国3党は22年に同条項の取り扱いを議論したが、解除は見送り。物価上昇への国民の不満が募る中、23年11月には岸田文雄首相の指示で再び協議が始まった。

 ただ、上乗せ税率がなくなれば、国と地方で1.5兆円の財源が必要となる。また、税率変更のたびに買い控えや駆け込み需要を招くとして、ガソリンスタンド業界は発動に反対の立場。現行の原油高騰対策である石油元売り会社への補助金と異なり、灯油や重油に恩恵が及ばない点もネックだ。

 山積する課題への有効な対策が見当たらないことに加え、公明は与党への接近を図る国民民主に警戒感をにじませている。

 24年度の税制改正大綱の原案に盛り込まれていた「引き続き3党で協議を行う」との文言は、最終的には削除された。補助金は24年春に終了の予定で、新たな負担抑制策としてトリガー条項に期待する声もあったが、協議は立ち消えになる可能性も出てきた。

【2024年をどう占う?】答える人 パーソルホールディングス社長・和田孝雄

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