「物流2024年問題」対応へ イオンがグループの物流改革
財界オンライン / 2024年1月17日 7時0分
「朝便」「昼便」の区分を廃止
時間外労働の上限規制で運転手不足が懸念される「物流2024年問題」。4月の法改正を前に、イオンがグループの物流改革に乗り出した。
イオンはこれまで「朝便」、「昼便」としていた区分を廃止、一つの枠として車両は満載の状態で走ることを前提とする。また、AI(人工知能)を活用して交通状況や店舗別の物流状況などから最適ルートを計算。より少ない車両で配送できるようにする他、長距離輸送におけるドライバーの負荷軽減と脱炭素に貢献するモーダルシフト(鉄道貨物の利用など)を強化する。
一般的に、小売業は開店前や特売日前に物量が集中し、日別の物量差が最大2倍になるなど変動が大きい。これが物流面の負荷要因となっていることから、全国約3300店舗を対象に物流効率の改善を図る。前述した施策により、最大約10%の配送効率改善が期待できるという。
「サプライチェーン(供給網)全体のオペレーションを再設計することで、配送に必要な車両数の削減やドライバーの負荷軽減を図る」(同社)
現在はあらゆる業界で人手不足が顕著になっているが、トラック業界は慢性的な人手不足が深刻化。このため、小売業界では既存の業務のやり方を見直す動きが出ている。
コンビニ業界では、これまで大手3社が商品を共同配送できないかを検証してきたが、ローソンは今春から、これまで1日3回だった商品の配送を2回に減らす。この他、従来、常温で販売していたオニギリなどの商品の一部を冷凍商品に置き換えることで、配送回数の削減や食品ロスにつなげたい考え。
労働力不足や物流網など、課題は山積しているが、課題解決に向けて、各社の知恵と工夫が今まで以上に試されそうだ。
デジタル活用でシフト管理の時間が6割減少、リクルートが取り組む『Air』戦略
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