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【厚生労働省】被災児童に「遊びの場」提供  「二重在籍」も特別に許可

財界オンライン / 2024年2月1日 18時0分

こども家庭庁は、能登半島地震で被災した子どもたちに遊びや学習の場を提供するため、居場所づくりに携わるNPOへの支援を強化する。1団体当たり最大500万円を補助する既存事業について、自治体を通さずNPOが国に直接申請できるよう要件を緩和する。被災自治体の事務負担軽減と迅速な執行が狙いだ。

 加藤鮎子こども政策担当相は会見で「被災地の子どもたちが不安のない生活を送れるよう対応に努める」と述べた。

 既存事業は、自治体を通じてNPOに活動費を補助する仕組みで、同庁は23年度補正予算などで計14億円程度を確保。募集は締め切ったが事業費に余裕があるため、被災自治体と連携して活動するNPOに限り追加募集する。

 具体的には、子どもが遊んだり交流したりできるカフェや、スタッフが勉強を教える教室、子ども食堂などの運営を想定。活動場所は被災地だけでなく、子どもたちの避難先の地域も認める。

 こども家庭庁はまた、保護者が地震の災害復旧活動を行っている場合、子どもの保育所利用が認められる特例措置を全国の自治体に通知した。保護者の就業状況は問わない。

 これまで通っていた保育所が被災して使えなくなったり、子どもが県外に避難したりして別の保育所に移る場合は、保護者の転園手続きを省けるようにした。保育所側は、利用定員数や設備運営基準を超えて子どもを預かることを可能とする。

 同庁担当者は「被災児童が転園手続きをしてしまうと、『地震が落ち着いたから地元に戻ってまた元の保育所に通おう』と思っても、保育所に空きがなく戻れない可能性がある」と指摘。本来は認められない「二重在籍」を特別に許可することにしたという。

 今後は政府が増額する予備費などを使って新たな政策を打ち出す省庁もありそうだが、別のこども家庭庁幹部は「自治体が機能していない時に新しい政策を作っても使われにくい」と指摘。非常時には既存事業の拡充や運用改善の方が役立つこともあると話していた。

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