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【国土交通省】訪日消費が過去最高 能登地震影響は限定的か

財界オンライン / 2024年2月19日 18時0分

2023年の訪日外国人旅行消費額(速報値)は、5兆2923億円となり、コロナ禍前で過去最高だった19年(約4.8兆円)を超えた。昨年4月末に水際対策を撤廃して以降、訪日需要が急回復したことに加え、円安や物価高が消費額を押し上げた。

 日本政府観光局が発表した23年の訪日外国人数(推計値)は、前年比6.5倍の2506万6100人。過去最多だった19年(約3188万人)に対し8割程度の水準まで持ち直した。12月単月では273万4000人で、19年同月を8.2%上回り、12月として最多となった。

 観光庁の高橋一郎長官は「コロナ禍で本当に厳しい状況にあった。関係者の力添えでここまでしっかり回復の歩みを進めてこられた」と強調する。ただ、観光庁によると、訪日需要が三大都市圏に偏っていることから、地方への誘客が今後の課題となる。同庁幹部は「地方にはまだまだポテンシャルがある」とみており、独自の観光資源を生かした体験型の旅行商品造成に一層力を入れ、地方滞在を促す方針だ。

 訪日客数や消費が堅調に伸びる一方、能登半島地震が水を差さないか心配する声も出ている。これに対し、高橋氏は「(アジアや欧米の)現地メディアの報道も発災直後と比べて落ち着いている」とし、地震の影響は限定的との認識だ。

 先の幹部も「東日本大震災の時は広範囲で揺れ、原発の問題もあったが、今回は状況が違う」と説明する。

 他方、北陸地方では地震によって宿泊施設のキャンセルが相次ぎ、観光関連事業者の損失額が膨らんでいる。

 政府は3~4月に石川、新潟、富山、福井4県を対象に1泊2万円を上限に旅行代金の50%を割り引く「北陸応援割」の実施を予定しており、その効果が注目される。

第一生命経済研究所 首席エコノミスト・熊野英生の提言「消費は良いのか、悪いのか?」

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