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【財務省】政治資金の不記載問題で大臣の発言が物議

財界オンライン / 2024年3月15日 11時30分

2023年度分の確定申告が始まった矢先、鈴木俊一財務相の発言が物議を醸している。自民党各派閥の政治資金パーティー収入を巡る不記載問題に関し、2月22日の衆院予算委員会で、鈴木氏は「疑義が持たれた政治家が政治責任を果たすという観点から判断されるべき」と答弁。「政治活動に使わずに残った所得で、控除しきれない部分があると議員自らが判断した場合、納税することはもちろん可能性としてはある」とも述べていた。

 しかし、こうした鈴木氏の発言に対し、SNS上で「税務署は国民には厳しく調査するのに政治家は例外か」などと批判が相次いだ。26日の衆院予算委で鈴木氏は「国民であれ国会議員であれ、収入や経費を正しく計算し、所得が発生した場合には申告して頂く」と述べ、発言を事実上修正したが、「タイミングが悪すぎる」(自民党閣僚経験者)と不満がくすぶる。

 とはいえ、不記載事件を巡り、鈴木氏の〝評価〟は今後一部では高まるかもしれないと言われている。東京地検特捜部の捜査対象が自民党所属の国会議員100人規模にのぼり、押収された大量の資料が国税庁にもたらされ、ブラックボックスと言われてきた巨額の政治資金の流れを把握したのでは? とささやかれているためだ。

 鈴木氏は、税務当局の調査の必要性に関し「課税上、問題があるかは独立的に国税庁で判断されるべきだ。国税当局として疑義がある場合は適切な対応をとる」と明言した。

 官僚機構の中で財務省が強いのは、予算と税という国家の「カネ」を差配する立場にあるためだ。加えて今回、国税当局が議員個人の資金管理の実態を知ったとすれば、今後の経済財政運営の〝追い風〟になるかもしれない。不記載事件が直撃した安倍派には、財政支出のあり方で財務省と対立した議員も多く、安倍派の弱体化は財務省にとっては朗報だ。

翁百合・日本総合研究所理事長「企業は、企業価値向上と社会課題解決の『二兎を追う』成長戦略の実行を」

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