ソフツー・鍾 勝雄代表取締役の「人生の転機」【「盛和塾」への入会】
財界オンライン / 2024年5月23日 18時0分
「会社の進む方向が分からない」─。8年ほど前のこと。幹部の社員からこう言われて衝撃を受けたことを覚えています。
アビスト・進 顕社長の「人生の転機」【食品系商社からの転身】
母国・中国の大学で建築を専攻としながらも、設計に使っていたパソコンを通じてプログラミングやシステムの可能性を体感しました。以来、エンジニアとしての人生を歩みました。大学時代には仲間と起業しましたが、インターネットバブルが弾けて解散してしまいました。
そんな中、大学の先輩からの勧めもあって、かねてから技術やネットで先進的な印象があった日本にITエンジニアとして初来日。2006年のことです。その後、派遣エンジニアとして様々な現場を回っていた中で出会った、ある企業の優秀な女性社員が退職。その理由を聞くと、結婚して専業主婦になると。中国では共働きが当たり前だったので、とても意外に思いました。
女性が活躍できる環境を整えることで社会貢献になる─。これが08年に当社を設立した理由です。在宅でも利用できるコールセンター向けシステムを開発し、段々と会社の経営も軌道に乗っていた矢先に言われたのが冒頭の言葉でした。
すぐに経営学の大学院に通って経営の勉強を始めたのですが、そこで京セラ創業者・稲盛和夫さん(故人)の経営塾「盛和塾」の存在を知りました。入会すると、数字のことを勉強するかと思いきや、フィロソフィーや企業理念の大切さなど中国の思想家・孔子や老子の価値観が息づいていた稲盛さんの教えがほとんど。とても勉強になりました。
それまで考えたこともなかった経営者として基本を学ぶことができたので、せっかちな性格だったこともあり、盛和塾で学んだことをそのまま社員に伝えました。しかし、そこでも社員から反発を受けてしまいます。「受け売りじゃないですか」と。
それからは、自分なりに稲盛さんの教えを解釈し、社員の平均年収を業界トップにするため、年収目標を経営計画書に明記したり、失敗を責めず、挑戦を褒めるための基準を人事評価基準に反映させるなど、少しでも社員に寄り添った経営ができるようになったと自負しています。
最近ではAI(人工知能)電話自動応答・取次サービスが生産性向上にも寄与するということで、導入していただいたお客様にも好評です。稲盛さんの教えをこれからも生かしていきたいです。
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