「一難去ってまた一難…」東芝が数千人規模のリストラ
財界オンライン / 2024年5月17日 15時0分
リストラで競争力は向上するのか―─。
東芝(島田太郎社長)が国内従業員を数千人規模で削減する方向で検討していることが分かった。固定費を減らし、デジタル事業などに投資を集中して経営再建を加速する狙いだ。23年12月に投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)傘下に入って非上場化したことに伴う財務の負担が約2兆円に上っており、財務体質改善の意味合いもあるとみられる。
リストラの布石は打たれていた。東芝は23年12月、4つの分社体制を実質的に廃止。島田氏が東芝エネルギーシステムズや東芝インフラシステムズなどの主要4子会社の社長を兼務する体制に移行し、4社の法人格の統合も検討する方針を示した。総務や経理といった間接部門の固定費が重いという指摘が以前からあり、「JIPが東芝へのコスト削減圧力を強める」(金融筋)との観測がくすぶっていた。
従業員の削減に伴う割増退職金の支払いや再就職支援などで1000億円規模の特別損失が発生するとの見方も出ているが、東芝がそれに見合う効果を得られるかは見通しにくい。分社体制の廃止にはマネジメントを遠心力型から求心力型に改めたい思惑がのぞくが、各社の屋台骨を支えてきた従業員を削減するとなると、士気への影響や現場の混乱は避けられそうにない。
社内では「今まで耐えてきたのにリストラなんて、一難去ってまた一難か……」(中堅社員)という声も伝わってくる。また、成長戦略の実効性も問われ続けている。東芝はビッグデータ(大量データ)の分析や量子暗号通信、人工知能などを成長分野と位置付けるが、そもそも、こうした先端技術に明るい人材の確保は容易でない。JIPによる非上場化が実現するまでは、海外投資ファンドをはじめとするアクティビスト(物言う株主)との応酬で経営の混乱が続いた。
「ブランドイメージへの傷は大きく、中途採用には困難が伴う。リストラよりも既存従業員のリスキリング(学び直し)の方が重要なのでは」(業界関係者)
島田社長の構想力が引き続き問われそうだ。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト・熊野英生氏の提言「投資不足社会」
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ローソンついに非上場化…共同経営体制に移行する三菱商事・KDDIの狙いとその行先は?
集英社オンライン / 2024年7月17日 8時0分
-
BIPROGY、ヤマザワ 食品の値引きシールをデジタル化し、見切り業務廃止とフードロス削減を目指した実証開始
共同通信PRワイヤー / 2024年7月16日 10時30分
-
責任投資のパイオニアとして企業価値創造と持続性への貢献を目指す アムンディ
Finasee / 2024年7月12日 12時0分
-
【東芝エネルギーシステムズ】久慈地域エネルギーと東芝エネルギーシステムズが再エネ供給契約を締結
Digital PR Platform / 2024年7月10日 11時1分
-
永谷園、スノーピークも上場廃止 好調企業で「上場離れ」が相次ぐワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月26日 8時20分
ランキング
-
1イタリア人が営む「老舗ラーメン店」の人生ドラマ 西武柳沢「一八亭」ジャンニさんと愛妻のこれまで
東洋経済オンライン / 2024年7月22日 11時30分
-
2なぜユニクロは「着なくなった服」を集めるのか…「服屋として何ができるのか」柳井正氏がたどり着いた答え
プレジデントオンライン / 2024年7月22日 9時15分
-
3円安は終わり?円高反転4つの理由。どうなる日経平均?
トウシル / 2024年7月22日 8時0分
-
4ウィンドウズ障害、影響続き世界全体で2600便欠航…損害は1600億円を超えるとの見方も
読売新聞 / 2024年7月22日 11時16分
-
5「土用の丑の日」物価高でも…あの手この手の“うなぎ商戦” 大手スーパーの目玉は「超特大」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月22日 19時59分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください