きらやか銀行ショックで地域金融システム不安を警戒
財界オンライン / 2024年6月11日 11時30分
山形県が地盤の「きらやか銀行」と、「仙台銀行」を傘下に持つ「じもとホールディングス(HD)」が事実上国有化される。公的資金による資本注入の見返りに発行した優先株に対する配当ができなくなり、国が持つ株に約63%の議決権が生じることになったためだ。
配当を復活すれば、「議決権は消える」(金融庁幹部)というが、第2地銀2行による再編で誕生した、じもとHDは財務力や収益力が脆弱で、復配のめどは立っていない。
じもとHDは仙台銀行の分も含めて計780億円にのぼる公的資金を抱える上、収益力も弱く、今後は自力での生き残りが危ぶまれる。国有化の長期化は必至と見られており、経営権を事実上、手にする金融庁が再編も含めて新たな生き残り策を検討することになりそうだ。
国有化の出口を見つけられなければ、世論の批判の矛先が当局に向かう可能性もある。金融庁は2023年9月、コロナ禍で打撃を受けた中小企業への資金供給円滑化を目的とする、改正金融機能強化法の特例を適用し、きらやか銀行に3度目の公的資金注入(180億円)を認めた経緯があるからだ。関係筋によると「銀行の財務状況はこの時点で相当傷んでいた」。いずれにせよ、金融庁は将来の公的資金回収の道筋を明確に描くことが厳しく求められそうだ。
きらやか銀行を巡っては、経営への先行き不安から顧客離れも起きている。金融庁は今回の問題をきっかけに、基盤の脆弱な他の地銀に影響が波及し、地域金融システム不安が再燃することを警戒し、経営モニタリングを強めている。
【株価はどう動く?】6月は相場の転換点となるか?デフレ脱却と円安の関係を考える
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
200億円の公的資金期限内返済を半ばあきらめた「じもとホールディングス」…、ゾンビ化する傘下の「きらやか銀行」救済に未来はあるのか?
集英社オンライン / 2024年7月3日 8時0分
-
じもとHDが再建計画提出=金融庁有識者会議で審査
時事通信 / 2024年7月1日 18時18分
-
じもとHD、業績悪化で国管理に 株主総会開催、議決権63%取得
共同通信 / 2024年6月20日 10時35分
-
じもとHDが国の管理下に
共同通信 / 2024年6月20日 10時11分
-
最新決算で採点!地銀99行「衰退度」ランキング 「金利のある世界」をモノにできる銀行はどこだ
東洋経済オンライン / 2024年6月4日 7時0分
ランキング
-
120年ぶりの新紙幣に期待と困惑 “完全キャッシュレス”に移行の店舗も
日テレNEWS NNN / 2024年7月2日 22時4分
-
2小田急線「都会にある秘境駅」が利用者数の最下位から脱出!超巨大ターミナルから「わずか700m」
乗りものニュース / 2024年7月1日 14時42分
-
3「7月3日の新紙幣発行」で消費活動に一部支障も? 新紙幣関連の詐欺・トラブルにも要注意
東洋経済オンライン / 2024年7月2日 8時30分
-
4カチンコチンの「天然水ゼリー」が好調 膨大な自販機データから分かってきたこと
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月30日 6時30分
-
5イオン「トップバリュ」値下げ累計120品目に 「だし香るたこ焼」など新たに32品目
ORICON NEWS / 2024年7月2日 16時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)