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トヨタがマツダなどと協業深化 EV移行期の本命は〝PHV〟

財界オンライン / 2024年6月21日 11時30分

新たなエンジン開発を宣言(左から、SUBARU社長の大崎篤氏、トヨタ自動車社長の佐藤恒治氏、マツダ社長の毛籠勝弘氏)

「EV(電気自動車)も本気、内燃機関も本気だ」

【就任1年】 トヨタ・佐藤恒治の『緊張感ある投資』 好業績でも手綱を緩めず

 こう強調するのは、トヨタ自動車社長の佐藤恒治氏。トヨタがエンジンの磨き上げにも力を入れていく方針を示した。EVの普及速度が鈍化し、燃費性能の良いハイブリッド車(HV)の販売が伸びる中、トヨタとしての見方は、EV移行期における〝現実解〟がプラグインハイブリッド車(PHV)という姿勢を鮮明にした形だ。

 PHVはエンジンを積みながら家庭のコンセントでも充電できる電動車。充電があるときにはEVとして走行し、充電がなくなってもガソリン車として走行できるため、環境性能はHVより高い。ただ、これまでのPHVではエンジンが主で、モーターは補助的な役割だった。

 トヨタはこの発想を転換する。「電動ユニットに内燃機関が載る」(同)と捉え直し、内燃機関の小型化に磨きをかける。同社が想定するのは従来のエンジンよりも体積などを10%小さくし、次世代のPHVやHVに搭載させる。佐藤氏は26年にEVを150万台販売するという目標を掲げていたが、この150万台にはPHVを含めるとも明言していた。

 さらにエンジンの磨き上げの一環として、CO2(二酸化炭素)を排出しないカーボンニュートラル燃料の量産やエンジンの脱炭素技術の導入も進める。CO2を排出しない燃料の量産には価格を下げる意味でも〝量〟が必要。現状、ガソリン価格の2倍~3倍以上とも言われる。

 トヨタは出光興産やENEOSとカーボンニュートラル燃料を導入する検討を開始。再生可能エネルギー由来の水素とCO2を反応させる合成燃料と植物由来のバイオ燃料の量産化を目指す考えだが、そこではマツダとSUBARUとも連携。マツダは「ロータリーエンジン」、SUBARUは「水平対向エンジン」と両社の得意なエンジンの研究開発に力を入れる。

 ただ、EVと同様、PHVでも中国BYDが先行する。同社の23年のPHVの販売台数は143万台だったが、それに対してトヨタは12万台。さらにBYDは220万円と割安な新型PHVの投入を発表済み。

 佐藤氏は「内燃機関の未来をつくる」と強調。ただ、足元では認証不正問題でトヨタのガバナンスが問われている局面であるだけに、同社は勝負所を迎えている。

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