人手不足の解消なるか? ニトリが70歳まで再雇用延長
財界オンライン / 2024年6月13日 18時0分
ニトリホールディングス(似鳥昭雄会長)が、社員が希望すれば70歳まで働けるよう再雇⽤制度を見直した。
同社の定める基準を満たす社員は、従来65歳と定めていた継続雇用期間を70歳まで拡大する。また、一定以上の役職者は、基本給や一部手当を定年前と同じ水準とし、報酬を定年前の最大9割維持できるように改定する。
従業員のモチベーションアップや多様な人材が活躍する環境づくりが目的で、同社は「事業領域の拡大やサステナビリティ経営の推進などを達成するためには、豊富な経験と知⾒を持ったシニア⼈材の活躍が不可欠」としている。
近年、イオンや食品スーパー各社では、徐々に65歳以上のシニアを採用する企業も増えている。接客やレジ業務の他、配送された商品の荷受けや検品、インターネットで注文された商品の配送準備など、人手が足りない仕事は沢山あるからだ。
こうした傾向は流通業界だけに留まらない。トヨタ自動車も8月から再雇用を70歳まで拡大。スズキは4月から60歳を過ぎても、気力・体力・環境に問題がなければ、60歳時点の業務と給与を維持する新たな人事制度を制定した。
リクルートの調査によると、日本を含む世界11カ国で、何歳まで仕事をしたいかという問いに「働けるうちはいつまでも」と回答した人の割合は、日本が最も高く20.1%となった。
年齢に関わらず、働けるうちは働きたいと考えている人が多いようで、「(企業には)今まで以上に働きやすい環境の整備が必要になる。求職者の働き続けたいというモチベーションの維持のためにも、年齢に関わらず、スキルやパフォーマンスに応じた評価・報酬制度に変えていくことも必要」(同社)としている。
老後の貯えへの不安や年金の受給年齢引き上げもあり、歳をとっても働きたいシニアは増えている。一方、少子化で若い世代の人材確保が難航している現状を踏まえれば、シニアの採用で、人手不足の解消を図ろうとする企業は今後も増えそうだ。
杉本卓士・ニチリョク社長「お墓・葬儀・終活を提供し続ける〝シルバーファミリーコンサルティング企業〟への進化を!」
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