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奥西亮賀・IVRy代表取締役CEOの 「人生の転機」【銀行からの電話】

財界オンライン / 2024年6月14日 15時0分

奥西亮賀・IVRy代表取締役CEO

当社は2019年創業のスタートアップで、AI(人工知能)を活用した電話自動応答サービス『IVRy(アイブリー)』の開発・運営を行っています。

 どんな会社にも代表電話がありますが、一般的に代表電話にかかってくる7~8割は営業電話です。いわば、出る必要性の薄い電話ですから、仕事を効率的なものにするには、出たい人だけの電話を受け、出たくない人の電話は出なければいい。

 そうした発想でつくった対話型音声AIサービスが『IVRy』です。通話や問い合わせの内容を自動で文字起こしできる機能もあり、AIが要約もしてくれるので、全てのやり取りを見返すことなく、内容を把握することができます。つまり、意味のある電話だけをおつなぎし、必要のない営業電話はつながないようにできるのです。

 起業当初、わたしは会社の代表電話を自分の携帯電話にしていました。すると、かかってくる電話の大半が営業電話で、いちいち対応することが面倒くさい。そこで、かかってくる電話のほとんどを無視していたのですが、その中に銀行の融資に関する電話が入っていました。

 当然、わたしはその電話をスルーしたわけですが、それによって審査は無かったことになり、個人的にかなり衝撃を受けました。もちろん、悔やんでも自分のせいなので仕方ないのですが、この時思ったのは、法人電話の7~8割は受けなくても困らない電話だということ。逆に一定の割合で必要な電話がかかってくるので、もっと電話を受け取る側の人たちが、かかってくる電話をコントロールする仕組みができないか。そう考えてつくったのが『IVRy』なのです。

 特にコロナ禍で、多くの医療機関がワクチン予約や発熱外来の問い合わせを受けるようになりました。それこそ毎日、受付の方が電話対応に追われるようになり、本来の診療対応ができなくなった。そういう医療機関が多く、そこから当社のサービスを導入してくれるクリニックが一気に多くなったのです。

 現在は毎月3千円から使える安さとITに詳しくないお客様でも使いやすい操作性がウケて、導入数は約1万2千アカウント。主に飲食業やホテル、クリニック、不動産などの方々に採用いただいています。

 5月には新たに30億円の資金調達も決まりました。資金は成長投資へ充てる予定ですが、日本に事業所が500万あると考えると、まだ当社のサービスをご利用いただいている方は1%にも達していません。

 今後もより良いサービスを提供することで、電話利用がもっと効率的になり、日本全体の生産性向上につながっていけばと考えています。

久保利英明の「わたしの一冊」『国産ロケットの父 糸川英夫のイノベーション』

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