【株価はどう動く?】新たな上昇相場は始まったか?グロース株を牽引する銘柄は何か
財界オンライン / 2024年7月16日 19時0分
二番底が入った後 株価は上昇開始
日本の株式市場の動きは、前回予想した通りの展開になっています。
相場は日柄、時間の波動で読むことが大切です。2024年3月22日の4万1087円が、現在までの今年の最高値ですが、ここから日柄である3カ月後が国会の会期末、6月23日でした。ですから週が明けた6月24日以降、株価が上がる可能性があると予想していましたが、まさにその通りの展開です。
この後、3月22日の高値を突破すれば、今年前半の3万5000円買い、4万円売りというゾーンから、4万円買い、4万5000円売りというゾーンに入っていくことになります。
株価がこの後、新しい相場に入っていくための最初の条件は二番底、ダブルボトムが入ることです。3月22日の4万1087円に対する一番底が4月19日の3万6733円でした。そこから一旦戻って、5月20日の3万9437円という戻り高値を付けて揉み合ってきました。
その後、5月30日に3万7617円という安値を付けた後、株価は上昇してきており、ここでダブルボトムが入った可能性が高いのです。
次の波動のチェックポイントは、直近の壁になっていた5月20日の戻り高値を突破するかどうかですが、6月26日には、これを抜いてきました。この動きからすると7月相場入りから、3月22日の4万1087円奪回、あるいは突破する動きになるのではないかというのが、今の波動から見た読みです。
では今後、株価が上がる材料として何が出てくるのか。私は、相場が4万円買い、4万5000円売りの新たなゾーンに入ったことに気づくのは7月に入ってからだと見ています。ですから、7月が株価の転機となるかもしれません。
その場合、買い材料の第1は、25カ月連続でマイナスを続けてきた実質賃金が、7月にプラスに転じる可能性があることです。
第2に、今年の春闘で平均でも5%を超える賃上げ率となったことです。前段の実質賃金のプラスと合わせて、多くの人が賃上げを実感することになると思います。これも株高の要因になります。
それらに加えて、今回の日本のデフレ脱却の大きな要因となりそうなのが超円安です。6月末現在、再び1ドル=160円台に乗せてきています。この動きに対して、財務省は介入しにくいというのが正直なところではないかと思います。
なぜなら、前回の10兆円近い介入に効果がなかったことが明らかになったことに加え、直近アメリカの財務省が公表した外国為替報告書で、為替操作をしていないか注視する「監視リスト」に日本を加えたからです。今のアメリカはドル高を望んでいますから、それに反する動きである日本の為替介入を牽制する意図があると見られますから、日本の財務省は介入を躊躇するでしょう。
そのことを世界の投資家はわかっていますから、介入したとしても効かず、むしろドル高円安になるかもしれません。今後も円安進行が続くことが予想され、それによって7―9月の株価は高いことが予想されます。
日本銀行は6月の金融政策決定会合で利上げは行いませんでしたが、量的引き締めを打ち出しました。円安を抑止するという姿勢を打ち出さざるを得ないのだと思います。しかし、今の流れでは利上げをしても、量的引き締めをしても円安の流れを止めることはできないだろうと見ています。
【関連記事】【株価はどう動く?】二番底から新たな上昇波動は始まるか、政治日程が株価にプラスに働く理由
昨年4月から始まった賃金インフレ、脱デフレの恩恵を受ける企業を中心にバリュー株の底上げ相場が今後も続きます。
今年1月から「新NISA」が始まりましたが、この資金が日本の株式にも向かってくるわけですが、投資しているのは投資初心者で、銀行預金などから振り向けてきますから、いわゆる大企業を買ってきます。
ですから配当、業績見通しがいい大企業が買われてきましたが、今後もその流れは変わらないでしょう。ただ、バリュー株が買われると大手総合商社のように配当利回りが下がりますから、増配などをしない限り、徐々に割安株としての魅力が落ちます。ですから今後、バリュー株の中でも銘柄選びが変わってくるだろうと見ています。
もう1つ、今後日経平均株価がさらに上昇するためには、グロース株が上がってこなくてはなりません。日本のグロース株が低迷しているので、新NISAで投資する人たちは米国のグロース株に向かっています。これは円安要因になっています。
日本でも、グロース株の中で、一部の半導体関連銘柄が上昇していますが、全体を引っ張る勢いにはつながっていません。グロース株の中にも牽引役が必要だということです。
昨年4月からのバリュー株相場では、海運、鉄鋼、商社が牽引してきましたし、今もその流れは続いています。ただ、株価が上がったことで前述のように、割安感はなくなっています。一方、グロース株は低迷が続いていることもあって割安感があります。グロース株が上がってくれば、内外の投資家が資金を振り向けることになります。
では、牽引役の候補となる銘柄はあるのかというと、私はソフトバンクグループ(東証PRM 9984)に注目しています。同社は投資会社として、バリュー株的色彩もありますが、英アーム社など半導体、AI(人工知能)関連に投資して成功しており、グロース株とも言えます。すでにソフトバンクグループ株は上がってきており、年後半、同社が牽引するグロース株相場があってもおかしくありません。
直近、6月19日に1万550円を付けた後、6月25日には9642円まで下がりましたが、6月26日には1万円台を回復しました。年末までに1万5000円、来年には2万円を付ける展開になれば、日本のグロース株が勢いづくと予想されます。
大きな流れとして今後、2024年後半から25年にかけてインフレ、株高相場に転換したと、誰もが思うような展開になるでしょう。
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