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SBI創業者・北尾吉孝氏の一挙手一投足に、産業界の耳目が集まる理由

財界オンライン / 2024年8月23日 7時0分

台湾・PSMCとの半導体工場建設など、金融の枠を超える取り組みも(写真は2023年7月の会見での北尾吉孝氏)

社会課題解決へ、これが正しい道と思ったら、とことん突き進んでいく─。SBIホールディングス創業者・北尾吉孝氏の生き方であり、人生観・経営観である。

 1951年(昭和26年)1月生まれの北尾氏は73歳。野村證券を経て、孫正義氏率いるソフトバンクの経営に参画、常務CFOまで務めた後、1999年にソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)を設立、社長CEO(最高経営責任者)に就任。以来、インターネット普及の時期とも相まって、金融・証券改革の新風を吹き込んできた。

 既存の金融・証券業界の発想と比べて桁外れに斬新で、破壊力の伴う戦略。例えば株式委託売買手数料「ゼロ」がその典型。こうした改革を個人投資家も歓迎。特にネット・デジタルのノウハウに馴染む若い世代が呼応、グループの顧客基盤も2019年3月末の2520万件から、2024年3月末には5050万件と、まさにうなぎ登り。

 株式市場での時価総額を見ても、同社は1兆1901億円(2024年7月下旬現在)を付けている。ちなみに証券トップの野村ホールディングスは2兆9484億円(同)、大和証券グループ本社は1兆9938億円(同)という水準。

 今、日本全体が〝失われた30年〟からの脱却を図る時に、SBIグループは銀行、証券、資産運用、ベンチャーキャピタルなど総合金融グループを構築。個人投資家を引き付けている会社の一つと言えよう。

 社会課題解決ということでいえば、旧新生銀行(現SBI新生銀行)の経営権取得が、その好例。バブル崩壊後、旧日本長期信用銀行は破綻し、新生銀行に生まれ変わったのだが、その時投入された公的資金は20年間も返済されず、3500億円の負債として残り続けていた。

「血税を投入して再生を図っているのに、これではいけない」というのが北尾氏の受け止め方。当時の新生銀行経営陣が〝抵抗〟する中でTOB(株式公開買い付け)をかけて買収を実現。この時は世論も金融庁もSBIを支持する形となった。

 地方銀行約100行との提携というのも既存の金融・証券グループにはできなかったこと。それをやってのけるところに北尾氏の発想の強さ、そして実行力の強さがある。

 その行動力の源泉とは何か?

「北尾君の行動力は若い時からのもの。我々にとってアンコントーラブルな男だった。またそういう人物でなければ改革の道は歩けない。今よくやっていると思う」とは、旧野村證券時代に上司だった人物の言。

 その北尾氏が日本の潜在力について「本当に活性化できるのかと最近思うことがある。円安を見てもね」と語る。それでもやるべきことをやるという北尾氏の今後に期待したい。

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