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【国土交通省】高速船で浸水隠し JR九州が子会社社長を更迭

財界オンライン / 2024年10月2日 18時0分

JR九州は子会社のJR九州高速船が博多と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」で浸水していることを3カ月以上隠して運航していたことを明らかにした。国土交通省にも報告せず、隠蔽(いんぺい)を指示していたのは子会社の田中渉社長だとして、同氏を更迭した。

「安全意識が浸透しきれていなかった。安全風土を根付かせ、行動で信用信頼を取り戻す」

 8月13日付けで、新たにJR九州高速船の社長に就任した大羽健司氏は、記者会見の場でこう強調した。

 同社によると、同船は2月に船首部分への浸水を確認したものの、田中氏の指示で国交省に報告をせず、日々の異常の有無を報告する航海日誌、メンテナンスログにも記載しないことを決定。その一方、浸水量については、外部に公表しない形で別途管理簿を作成していた。

 5月に浸水量が増加したが、浸水を知らせる警報センサーの位置を船底の上方44センチから1メートルに変更し、センサーが作動しないように更なる隠蔽を働いた。

 ポンプで排水しながら運航を継続したものの、結局浸水の増加に耐えきれなくなり、5月末に初めて浸水したかのように国交省などに報告。船体を修理し、7月に運航を再開したが、翌月6日に国交省が抜き打ち監査を実施し、隠蔽が発覚した。

 この問題を受け、JR九州はクイーンビートルの運休を含むJR九州高速船の全ての事業を停止。11月下旬までに約2万2000人の予約が入っており、9月30日までの予約分については、運賃の返金に加え、サポート代を支払うという。

 発生事故を含む事実関係の解決に向け、JR九州は外部の弁護士らによる第三者委員会の設置を発表。西村あさひ法律事務所の尾崎恒康弁護士が委員長を務め、動機の解明に向けた調査を実施するほか、再発防止策に関しても助言を受ける。

 JR九州高速船を巡っては、昨年6月に国交省から海上運送法に基づく安全確保命令を受けている。すでに行政処分を受けているにもかかわらず、新たな不祥事が発覚し、親会社のJR九州が先頭に立って、安全管理体制を構築することが求められる。

 斉藤鉄夫国交相も8月末の閣議後記者会見で、「JR九州高速船の安全への意識が欠如していると言わざるを得ず、極めて遺憾である」と指摘。国交省は監査を継続しており、その結果を踏まえ、処分も含め必要な対応を講じる方針だ。

大和総研副理事長・熊谷亮丸の視点「岸田政権の成果と積み残された課題」

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