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朝日利彰 エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ社長「NTT西日本の完全子会社が手掛ける電子書籍ストア事業の意義」

財界オンライン / 2024年10月14日 11時30分

全ては危機感から始まった─。当社はNTT西日本の完全子会社として2002年に設立されました。日本電信電話公社が1985年に民営化され、99年に業務分野によって4分割に再編。NTT西日本は固定通信サービスを提供している会社でしたが、将来を見据えると主力事業だけに頼らない、新たな収益が見込める次のコアビジネスをつくらなければならないという危機感から新規事業を手掛ける当社が生まれたのです。

 当社が提供する電子書籍ストア「コミックシーモア」はサービス創立20周年を迎えました。ウェブでマンガを読むことが浸透していなかった04年に、コミックシーモアの原型となるケータイ向けコミック配信サービス「コミックi」をスタート。10年にサービス名称をコミックシーモアに統一しました。

 コミックシーモアを含む当社の電子書籍事業の売上高は23年度が812億円と過去最大になりました。さらに11期連続の増収増益を達成。最高日販は9億円以上、月間利用者数は4000万人を超えています。お陰様で国内電子書籍業者の中でも最大級となりました。

 日本のマンガには力があると感じます。スマートフォンの普及と共に電子書籍市場は拡大し、電子コミックの形態も多様化。縦スクロールマンガや韓国コンテンツの台頭、日本のコンテンツの海外での盛り上がり、インディーズクリエイターの発掘、AIテクノロジーの活用など、マンガは時代と共に、新しい形態を生み続けているのです。

 その中で当社はテクノロジーを用いて新しいマンガの届け方を提案し続けています。特に、読者とマンガのマッチングに注力。月に2900件を超えるキャンペーンや特集を行い、読者のデータ分析に加えて、シーモア書店員による提案などを通じて読者と新しいマンガとの出会いを創出してきました。

 これら以外にも、販売を促進させる仕掛けとして、マンガ制作段階から携わる出版社との協業体制も整えてきたことが大きいと思っています。例えば、KADOKAWAさんとは制作段階から携わり、制作時には広告映えするように、キャラクターの表情を変えていただいたこともあります。一方で、売上データを分析して出版社にアドバイスをすることもあります。

 ある作品では、1巻や2巻ではなく、3巻が最も売れたというデータもありました。広告で話題になっているコマが3巻にあったため、3巻から買うという読者が続出したのです。これを受けて、当社から1巻と2巻を無料にするというキャンペーンをKADOKAWAさんに提案し、ヒットにつながりました。

 さらにマンガは地方創生にも大きく寄与することができます。例えば、東京・神田明神を舞台にしたマンガがヒットすると、神田明神がアニメの聖地にもなりました。しかも、日本人のみならず、外国人もたくさん訪れるようになったのです。

 また、アニメは応用性が高く、カフェなどの飲食をはじめ、衣料品や雑貨など業種の垣根を越えて様々なものとコラボレーションすることが可能です。

 こういったことができるのも、日本のマンガに魅力が詰まっているからです。日本のクリエイターが国内外に羽ばたくチャンスを生むことができます。実際、日本のマンガのキャラクターやストーリーは世界でも群を抜くレベルだと感じます。

 その意味でも、当社はマンガという日本の〝宝〟を国内外に流通させることが最も大きな役割と使命だと思っています。

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