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三菱商事がマレーシアで新たなLNG権益を取得

財界オンライン / 2024年10月11日 11時30分

マレーシア・ビンツルLNG基地(写真はペトロナスの提供)

三菱商事がマレーシアで新たなLNG(液化天然ガス)権益を取得する。国営石油会社ペトロナスが運営する一部事業の権益10%を取得、さらに別の事業の権益の約10年延長を決めた。金額は非公表ながら、合計数千億円規模の巨額投資となる。

 三菱商事とペトロナスの協業関係が始まったのは1978年から。以来、46年の長きにわたって、マレーシアにおけるLNG事業で協業してきた。今回、新たに取得した事業の権益は2023年の契約満了に伴い、ペトロナスに譲渡していたものを再参入して取得する形。

 同プロジェクトにおけるLNGの年間生産能力は合計2930万トンと、世界最大規模。現在は同プロジェクトで生産されるLNGのうち、約1千万トンが日本に供給されており、単一拠点として、日本向けで世界最大のLNG供給量を誇る。日本のエネルギー安全保障という観点で、LNGの安定供給につながることが期待されており、今回の権益延長と再参入の意味は大きい。

 三菱商事社長の中西勝也氏は「LNGはエネルギートランジション(移行期)の時代に於ける現実解の一つであり、ペトロナスとの協力関係強化を通じ、LNGの安定供給に貢献していく」とコメントしている。

 ロシアによるウクライナ侵攻もあって、世界で存在感が高まるLNG。天然ガスは石炭などの化石燃料に比べて、燃焼時にCO2(二酸化炭素)排出量が低減されるため、脱炭素への移行期に安定した供給が期待される。化石燃料、再生可能エネルギーともにメリット・デメリットがある中で、中西氏が〝現実解〟と表現する所以だ。

 LNGを巡っては、三井物産も約880億円を投じて、UAE(アラブ首長国連邦)のプロジェクト参画を決めたばかり。企業活動や日々の生活に欠かせないエネルギーをどう確保していくか。そして、現実解を導きながら、将来的に脱炭素社会をどう実現していくか。産業界の試行錯誤は続く。

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