日産が時価総額で業界6位に 米国でのEV戦略が躓きに
財界オンライン / 2024年10月29日 18時0分
営業利益が前年同期比99%減─。日産自動車が苦境に立たされている。同社の24年4―6月期の連結決算では、営業利益が前年同期比99.2%減の9億9500万円と僅かだった。社長の内田誠氏は「新型車の投入を推し進めることで業績を回復していく」と力を込めたが、株式市場の評価は低いままだ。
10月9日、日産の時価総額が、いすゞ自動車に抜かれた。日産が1兆4674億円に対し、いすゞは1兆4758億円。元会長のゴーン氏が率いていた15年3月31日の時価総額は5兆1328億円で、トヨタ自動車やホンダに次ぐ自動車業界第3位が定位置だった。
しかし今回、いすゞに抜かれたことで業界6位に転落。約40兆円のトヨタ、約8兆円のホンダとライバル2社の背中は遠く、約3兆円のスズキ、約2兆円のSUBARUにも抜かれている。
自動車アナリストは次のように語る。「日産は北米市場において電気自動車(EV)で勝負をかけたが、思った以上に売れず、ハイブリッド車(HV)に電動車のお株を奪われた。戦略の見誤りと言わざるを得ない」
実際、トヨタやホンダは稼ぎ頭の米国においてHVで収益を上げているが、一方の日産はEV「リーフ」を展開するのみでHVは投入していなかった。売れ残って在庫となったクルマを減らすために、日産はディーラーに支払う販売奨励金を上積みしなければならない状況が続く。
日産は悲願だった「経営の自由度」(幹部)を得た。1999年に仏ルノーからの資本を注入され、売り上げや販売台数でルノーを凌駕していた日産だったが、資本関係ではルノーが43.4%を握る筆頭株主になるという〝親子関係〟が続いていた。
しかし、昨年にルノーが保有する日産株を15%まで引き下げ、相互に15%ずつ出資する〝対等な関係〟になったのだが、今ではそのルノーの時価総額は2兆円超。同社にも逆転されている。そんな日産にとっての拠り所はホンダとの協業だ。EVはもちろん、今後の自動車業界を大きく変えるSDV(ソフトウェアによって定義されるクルマ)化への鍵を握るからだ。
もはやゴーン時代の負の遺産を理由にはできない日産。消費者を惹きつけるクルマづくりが求められている。
パナソニックが和歌山で最新型の車載用電池を量産へ
この記事に関連するニュース
-
独VWの中国戦略「シェアより利益」に転換の事情 中国勢との消耗戦避け、中長期で巻き返し図る
東洋経済オンライン / 2024年11月19日 16時30分
-
9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月19日 9時26分
-
日産9000人削減の衝撃 「技術自慢の会社」ほど戦略で大コケする理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月13日 6時15分
-
2024年9月中間決算、トヨタの最終益26.4%減、ホンダも19.7%減[新聞ウォッチ]
レスポンス / 2024年11月7日 9時0分
-
乗用車大手8社の世界生産4年ぶり減少、トヨタの認証不正、中国苦戦響く[新聞ウォッチ]
レスポンス / 2024年10月31日 9時3分
ランキング
-
1「無人餃子」閉店ラッシュの中、なぜスーパーの冷凍餃子は“復権”できたのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月20日 6時15分
-
2ブランド物を欲しがる人と推し活する人の共通点 囚われの身になってしまう、偶像崇拝者たち
東洋経済オンライン / 2024年11月21日 14時30分
-
3食用コオロギ会社、破産へ 徳島、消費者の忌避感強く
共同通信 / 2024年11月22日 1時18分
-
4「サトウの切り餅」値上げ 来年3月に約11~12%
共同通信 / 2024年11月21日 19時47分
-
5さすがに価格が安すぎた? 『ニトリ』外食事業をわずか3年8カ月で撤退の原因を担当者に直撃「さまざまな取り組みを実施しましたが…」
集英社オンライン / 2024年11月21日 16時49分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください