【経済産業省】書店活性化で課題整理 支援策の検討本格化へ
財界オンライン / 2024年10月28日 11時30分
経済産業省は、全国的に減少する「街の書店」の振興に向け、経営上の課題などをまとめた報告書を作成した。インターネット書店との競合や、低い粗利益率につながる流通慣行など34項目を列挙。11月4日までパブリックコメントを実施した上で、関係省庁の連絡会議を設置して支援策の検討を本格化させる。
報告書は、書店の粗利益率が22%程度にとどまっていると説明。背景として、返品を自由に行うことができる委託配本制度の影響を挙げた。返品率は書籍で約3割、雑誌で約4割に達しているという。燃料費高騰やドライバーの人件費上昇などで返品コストが増大し、経営を圧迫しているとの見方を示した。
また、再販売価格維持制度によって出版社が全国一律で本の価格を決定する仕組みのため、光熱費など店舗運営のコスト増加を販売価格に転嫁できないことを指摘。公共図書館が複数冊のベストセラー本を購入したり、新刊書籍を発売と同時に貸し出したりすることで、書店の販売機会を奪っているとの意見があることも紹介した。
書店振興の議論は、齋藤健前経産相の肝いりでスタート。今年3月にプロジェクトチームを立ち上げ、書店経営者などからのヒアリングを進めてきた。今後は「宿題」として、武藤容治経産相が率いる新体制に引き継がれることになった。
報告書は、スマートフォンやSNSの普及などによる「読書離れ」という、一朝一夕では解決が難しい課題も挙げている。「文化創造基盤」(齋藤前経産相)である書店の衰退に歯止めをかけることができるか、具体策の検討では政府の本気度が問われることになる。
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